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旅行記:カナディアン・ロッキー(世界自然旅)

45.悪天の下山 (2003/7/13:曇時々雨

 天候の悪化

 昨日の流れを受けてか、今日は朝から天気が冴えず、アシニボインは雲の中にあった。できるならここで数日過ごし、じっくりと周辺を散策するのが良いのだろうが、食料が十分ではないし、今日のキャンプ場、明日のシャトルバスと既に予約しているので、今日の昼前には去らなければならない。残念な限りである。

 ただ、その前に行っておきたい場所が1つあった。ガイドブックでアシニボインを投影する池の写真があって、是非とも訪れたいと思っていたのだが、昨日は場所がわからず、帰宿寸前にようやく発見することができたのだ。山頂が隠れているのでイマイチなのは承知のうえだが、まだ風の弱いうちに訪れることにする。

  ロッジを通り過ぎ、ナブ・リッジ方面に歩いていくと、まもなく目的の池に到着。確かに山が投影して美しいが、予想通りアシニボインは完全に姿を隠しており、完璧な様子とは程遠い。どうすることもできず、少々残念であった。

Reflection of Assiniboine
アシニボインは雲の中

 小屋に戻ったところで、ちょうどツアー客の皆さんがゾロゾロと峠に向けて歩いていった。昨日はいくつかに分かれていたようだが、今日は総勢40名程度の大軍団。軍隊かと思うような統率の取れ方で、ノロノロと進んでいく。これから向かう方向だったので正直困ったが、まずは身支度だけ済ませることにした。

  すると、ほぼ出発できる段階になって、ポツポツと雨が降り始めてきてしまった。これはまずい…雨はさらに強まり、この先に大いなる不安を抱かざるを得なかった。

The Towers
ザ・タワーズ

 展望地で雨宿り

 しばらく雨宿りし、ほぼ止んだところで歩行開始。ゴグ・レイク(Gog Lake)とザ・タワーズ(The Towers)を見ながら登っていく。始めのうちは林を歩くが、滝の上に出ると草原地帯となり、目指すワンダー・パス(Wonder Pass)らしき鞍部も見えてきた。

 すると、先ほどの集団が大挙して下ってきた。なんでも天候が悪いので、峠で引き返してきたという。これで行く手には誰もいないので、気を引き締めて登ると、1時間足らずでワンダー・パスに到達した。

Wonder Pass
ワンダー・パスより

 峠から再びバンフ国立公園(Banff National Park)に入り、緩やかに下ると、しばらくで展望地への分岐が現れた。この天候でも、やはり寄っておこうと決心し、不要な荷物を置いて寄り道する。道はなだらかだが、展望地の手前まで歩いたところで大雨に見舞われてしまった。慌てて木陰に身を隠すも、雷も交えた雨が吹きすさび、周囲は霧で何も見えない。なんてことだ!

  このまま引き下がるわけにはいかないので、展望地で雨宿りをして回復を待つ。すると1時間ほどで大雨は止み、次第に周囲の景色が見えるようになってきた。さすがにアイ・マウンテン(Aye Mountain:3243m)やイオン・マウンテン(Eon Mountain:3337m)の雲は取りきれないが、眼下に見えるグロリア湖(Lake Gloria)、テラピン湖(Lake Terapin)、そしてマーブル・レイク(Marvel Lake)は美しい。木々がやや邪魔だが、素晴らしい眺めであった。

Wonder Pass Viewpoint
展望地からの景観

  分岐に戻ったら、荷物を担いで下り始める。ほどなくして森に入り、斜面を急下降していくが、これは結構こたえる下りだ。快調に飛ばして30分ほどで分岐となり、ここを左に取ると、ワンダー・ピーク(Wonder Peak:2852m)の斜面をトラバースするように緩やかな下り道となる。この頃から晴れ間も覗き始め、右手に広大なマーブル・レイクとマーブル・ピーク(Marvel Peak)を見ながら歩くのは気持ちが良い。実に快適な道のりだ。

Marvel Lake
マーブル・レイクに沿って歩く

Marvel Back
振り返れば晴れ間も

  湖の端まで来ると、本日の宿泊地、McBride's Campgroundまではもう一息。近道しようとして少々迷ったものの、どうにか無事キャンプ場に着くことができ、難を逃れたのであった。

McBride's View
キャンプ場付近より

Mt Turner
ターナー山とブライアント・クリーク

 帰路の悲劇

 明けて翌日。午後2時にシャトルバス(でも1人なのでタクシーと同じ)が来る約束になっているので、それまでには歩き終えなければならない。14kmのごく平坦な道だが、念のため早めにスタートする。

 相変わらず雲が多いものの、昨日よりはだいぶマシになっていたので一安心。自転車も通れるような平坦な道を粛々と歩いていく。楽な上に視界も開けず、実に単調な道が続いて面白くないが、ここは諦めて歩くしかない。

  やがて、道はブライアント・クリーク(Bryant Creek)沿いに続くようになり、右手にはターナー山(Mt Turner:2813m)が巨大な岩壁をさらしている。さらに進むと、背後にコーン・マウンテン(Cone Mountain:2910m)が聳え、左にはスプレイ・レイクも見えてきた。

 残り6kmとなり、まだ3時間も猶予があったので、ここでワットリッジ・レイク(Watridge Lake)に寄り道する。湖は取り立てて凄いところではなかったが、のんびり過ごすには良いところなので、時間調整で1時間近く滞在し、最後の英気を養った。

Cone Mountain
コーン・マウンテン

Watridge Lake
ワットリッジ・レイク

  再び歩き始めると、この頃から急にすれ違う人が多くなり、大勢のグループがアシニボイン目指して登っていく。今回はちょっとタイミングが早かったゆえに静かに過ごせたが、ピーク時には大変混むようだ。

  こうして淡々と歩くと、1時間ほど前に駐車場に到着し、無事歩き通すことができた。しかし、待ち合わせはなぜかヘリポート前なので、ここからさらに1kmあまり歩き、30分以上前には集合場所にたどり着いたのであった。

  安心して待っていたが、時間になってもバスは現れない。遅れているのだろう、と最初は気にも止めなかったが、30分待っても、1時間経っても姿がない。これはおかしい…が、連絡手段がないので待つしかない。まさか忘れているのではないだろうな…

  このままでは埒があかないので、1時間半経ったところで諦めて歩き始める。こうなったら742号線に出て、車を捕まえるしかない。

  すると、742号線が目前になったところで、1台の車が背後から迫り、「Nobuya Andoか?」と尋ねてきた。彼はずっと待っていたと言うが、そんなことはない。きっと登山口の駐車場で待っていたのだろうが、ちゃんとヘリポート前集合と確認していたし、そこにこの車はなかった。まぁでも、これ以上歩く必要はなくなったので、良かったと言えば良かったのだが。

  ちょっと怒り気味に乗り込むと、車はバンフまで行ってくれるという。キャンモアまでだと思っていたので、これはラッキー。後は運転手に任せて、4日ぶりに街に戻ったのであった。

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