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旅行記:カナディアン・ロッキー(世界自然旅)

40.静かなボウジョー (2003/7/7:晴後曇

 誰もいない…

Wolverine Creek
ウォーボリン・クリーク

  相部屋の人たちが皆眠る中を出立し、今日もハイキングに出かけるが、目指すボウジョー・レイク(Bourgeau Lake)のトレイルヘッドは11km先…コスト削減のため、自動車ではなく自転車で向かった。

  簡単に着くのかと思いきや、思った以上にアップダウン(どちらかと言えば登り)が多いうえ、昨日同様の向かい風に苦しめられる。やっとのこと目的地に着いても、最後にハイウェイを横断しなければならない。猛スピードで飛ばしてくるので危険極まりないが、慎重に期を見て成功。早くも疲れてしまったが、無事スタートラインに着くことができた。

 駐車場には、他に自転車はおろか、自動車すらない。まだ誰も来ていないようだが、入口にはクマが出るので気をつけるようにとの注意書きが…1人で歩くのは危険だが、今さらどうすることもできない。

 意を決して歩き始め、最初は森の中を延々登っていく。こんなところでクマと出くわしたら一たまりもないので、注意しながら進むが、ちょっと怖い…

  道中、いったん視界が開けたものの、すぐにまた樹林帯に入り、我慢の歩きが続く。1時間あまり歩いたところでついに林を抜け、前方にウォーボリン・クリーク(Wolverine Creek)が滝のように流れ落ちるのが見えてきた。そして、この滝の下の橋を渡ると、つづら折の登りが始まった。

  この急坂は楽ではないが、視界が開けている分だけ気持ちよく歩くことができる。時々背後のソーバック・リッジ(Sawback Range)を振り返りながら進むと、30分弱で平坦な台地に出て、行く手にボウジョー山(Mt Bourgeau:2930m)が迫ってきた。湿地帯を抜けていくといよいよ岩壁が迫り、まもなくボウジョー・レイクに到達。岩壁に囲まれた、美しい湖だ。

Sawback Range
ソーバック・リッジを望む

Bourgeau Lake
ボウジョー・レイク湖畔より

 初めてのアシニボイン

 予想通り誰もいないので、ここでしばらく休憩し、のんびりと寛ぐ。良く見ると、岩壁横の斜面にはビッグホーン・シープの群れが張りついていて、のどかに草を食んでいる。何とも牧歌的な光景であった。

 十分に英気を養ったら、ここからさらに上へと登っていく。湖の北岸を進み、沢を翻っていくが、途中にはお花畑になった箇所も見られる。やがて本格的な登りにかかると急斜面のガレ場が多くなり、残雪もあって苦戦させられるが、慎重に歩を進めてクリア。ここを越えると、行く手には池が現れた。

View of Bourgeau Lake
ボウジョー・レイクとボウジョー山

 池のほとりを楽々進むと、その先にまた池があり、ここからまた登りが始まる。この辺りまで来ると広々とした景色が見られるようになり、先のハービー・パス(Harvey Pass)も一息だ。しかし、ここから急に残雪が多くなってしまい、トレイルはほぼ雪に覆われた状態になってしまった。踏み跡を頼りに登っていくが、なかなかしんどい。

  しばらくで無事登りをこなすと、眼前に氷を浮かべたハービー・レイク(Harvey Lake)が現れた。だいぶ雲が増えているが、その先には名峰・アシニボイン山(Mt Assiniboine:3618m)を遠望することができる。これが初めてのアシニボインの姿、「カナディアン・ロッキーのマッターホルン」と呼ばれるだけあって、尖ったピークが印象的だ。数日後にはあの麓に行く予定なので、今から楽しみである。

Harvey Lake
ハービー・レイク

Harvey Lake from the pass
対岸から振り返り見る

 グレイシャーの憂鬱

 ここから湖に沿って歩き、ハービー・パスに出ると南側の展望がさらに開けるが、ここを下っていくわけにはいかない(トレイルがない)ので、左に進んで尾根に登ってみる。尾根からはボウジョー山が迫って見えるが、歩くとなると往復で2時間半かかるらしい。既に昼過ぎとなり、体力も消耗しつつあったので、ここは無理せず引き返すことにして、しばらくはこの尾根でゆるりと過ごすことにした。

View from Harvey Pass
ハービー・パスからの景観

Mt Bourgeau
ボウジョー山

 休んでいるうちに天候が悪化し、もう晴れ間が覗かなくなってきた。このままでは雨になるかもしれないので、ほどほどにして撤収開始。下りは楽なもので、快調に進むことができる。この頃になってようやく人とすれ違うことになったが、ここは意外に歩く人が少ないようだ(それともSARSの影響だろうか)。

 ボウジョー・レイクの手前でビッグホーン・シープの群れをやや間近に眺めたら、そのまま一気に下り、2時間ほどで駐車場に戻ることができた。そして、そこから再び自転車に乗ってバンフに舞い戻っていった(往路よりは楽に感じたが、それでも楽ではない)。

  それにしても、カナディアン・ロッキーには大いに期待しているのだが、今のところもう一歩である。まだ2日しか経っていないが、天気が優れないし、大感動と言えるほどの絶景でもなく、花が多いわけでもない。アメリカ国立公園が充実していたのに比べると、まして「アメリカン・ロッキー」と言うべきグレイシャー国立公園の素晴らしさと比較してしまうと、どうも物足りない。これは、むしろグレイシャーが素晴らしすぎたゆえの憂鬱なのかもしれないが、今後どうなっていくのだろうか。

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