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旅行記:アンデス&アマゾン(世界自然旅)

26.テプイの最高点 (2003/12/6-7:曇時々雨後晴

 霧の通り道

 4日目を迎えたところで、チェコ人の夫婦とポーターは下山し、ガイドとイスラエル人と私の3人が残った。昨日遠くまで出かけてしまったので、今日は近場の見所を周るが、ロライマの最高点にも行く予定だ。天気もまずまずなので、これは楽しみである。

Sunrise Maverick
朝焼けのマーベリック

 まずは北に向けて歩いていく。岩がちの箇所を抜けてしばらくすると、突然目の前に、ジャグジー(Jacuzzis)と呼ばれる泉が現れた。この泉の底には、贅沢にも数多くの水晶が敷き詰められている。水浴びにはもってこいで、ガイドもイスラエル人も飛び込むが、これがあまりにも冷たい…私の敏感肌では無理なので、おとなしく足を浸す程度に留めておいた。

Jacuzzis
ジャグジー

  ひとしきりリフレッシュしたら、続いて崖の淵に向けて進んでいく。この辺りにはヘリアンフォラ(Heliamphora)という食虫植物が多く、虫が捕まるのを今か今かと待っている。これはギアナ高地の特徴で、陸の孤島であるうえ、岩盤が露出し土壌の養分も少ないので、食虫植物にはうってつけの環境なのだ。

Heliamphora
ヘリアンフォラ

 すると、ほどなくして絶壁の淵に出た。当然ながら真下に切れ落ちていて、かなりの迫力だが、霧が絶えず湧いては流れているので、周囲が一望のもとになることはない。下に広がるジャングルの先はガイアナ。きっとこの辺りは、まだまだ人跡未踏の地なのだろう。

  しばらく淵で休んだところで、今度はクケナン・テプイを正面に望む展望地に歩いていく。しかし、こここそ霧の通り道になっていて、なかなか景色が開けない。それでも、粘っていたらジャングル越しにクケナンの姿が見え、自分が断崖絶壁に立っているのがよくわかったので、納得のうちに帰路についた。

Roraima Scenic Point
展望地から北方を望む

Kukenan View
向かいはクケナン・テプイ

 最高点の絶景

 こうして元の道をたどり、キャンプ地に戻っていく。それにしても、昨日といい今日といい、テプイの上を歩いていて誰にも会わないのは不思議だ。確かにキャンプ地には人がいるのだが…

  さて、昼食を終えたらロライマ山の最高点、マーベリック(Maverick)に登る予定だったが、まもなく雲に覆われ、雨も降ってきてしまったので、しばらくはテントで待機する。テプイの上は本当に天気が変わりやすく、油断も隙もない。とりあえずは、夕方までに回復するのを祈るしかなかった。

 しかし、こちらの思うようにはなかなかならず、3時、4時と、時間だけが刻々と流れていく。そろそろ良くならないと、陽が暮れてしまう…とここで、にわかに晴れ間が覗くようになってきた。まだ万全には程遠いが、これがラスト・チャンス。2人して登るのを決意した。

  目指す最高点は、すぐ目の前の岩山だ。道を探しながら歩いてみると、運良くそれらしき踏み跡を発見。ルートファインディングしながら、急峻な岩場を登っていく。時間がないので、もうイスラエル人には構わず進み、ついに最高点に到達した。

 するとどうだろう。ここからは、麓の森からせり上がった断崖、そして漆黒の頂上台地の姿が一望でき、まるで巨大軍艦の上にいるような気分だ。まさに地球離れした景観!「すごいところに来ているなぁ」と、しばし感動してしまった。

Roraima Top
最高点からの景観

 この絶景に酔いしれていると、しばらくでイスラエル人も登頂。2人して感動の余韻に浸る。ここからはキャンプ地方面も望めるが、上から見るとまた違った景色に見える。とにかく、ここに来て良かった!

Tepui View
キャンプ地を振り返り見る

View to Kukenan
クケナン方面の景色

 さらばテプイ

 こうして夕方までじっくりと佇み、地球最後の秘境を見納めたら、キャンプ地に帰還し、翌日にはこの頂上台地を後にする。別れを告げるのは名残惜しいが、最後まで奇岩と見慣れぬ植物たちが出迎えてくれた。さらば…

Turtle Rock
頂上台地を去る

  下りは、さすがに登りよりもずっと楽なので、滑らないように気をつけつつ、淡々と下る。途中はガスったので景色が望めなかったが、下まで降りると晴れていて、今日は良い天気なのだと認識できた。やはり上と下では気候が違うようだ。

Cloudy Cliffs
煙る絶壁

 ベースキャンプまで下ったら小休止し、ついにロライマ山から離れていく。この先はもう難所がないので、粛々と下るのみだ。往路と同じ道なので、もうイスラエル人も放っておいて良いだろう。ガイドとともに、時々振り返りながら歩いていった。

  4時間ほど歩き、クケナン川のキャンプ場に来たところで、昼食休憩となった。ここには既に欧州からのグループが押し寄せていて、それも女性がやたらと多い。イスラエル人とガイドは、もう彼女たちとの会話に夢中だ。

  その後、川を渡渉したところで、他の人たちを真似て、ちょっと川で泳いでみる。が、冷たかったのですぐに上がり、美しいロライマ山の眺めを堪能していると、今度はイスラエル人も泳ぎだした。そして、例の女性陣も現れ、またも彼女たちとの会話が弾んだところで、私に対して「ここが気に入ったから、しばらくのんびりするよ。先に行くならテントを張っておいて」と言ってきた。なんなんだその言い分…と怒りがこみ上げてきたが、このまま付き合うのも癪だったので、先に向かうことにした。

View of Roraima
クケナン川からのロライマ山

 それから30分ほど歩き、トク川を渡った先のキャンプ場でテントを張る。ここには、これから登ろうとするグループが10人あまり、そして同じく下ってきたブラジル人グループが10名+ポーター20名(つまり、荷物は全て持たせて手ぶらで歩いている)と大賑わいだ。最後とは言え、これほどの喧騒に苛まれるとは思わなかったが、美しい月に免じて許してあげよう。

Roraima with Moon
月とロライマ山

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