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ベネズエラの国旗

旅行記:アンデス&アマゾン(世界自然旅)

22.最難関の地 (2003/12/2:晴時々曇

 次の準備を済ませて

 明けて月曜日(12月1日)、ようやく通常の生活に戻ったので、両替を済ませた上で、次に向けたアクションを起こす。と言うのも、次にギアナ高地を訪れたら、一気にブラジル南部に飛ぶつもりだが、ブラジルでは12月中旬頃から休暇シーズンに入るので、直前にチケットを取ろうとしても難しいからだ。

 そこで、街中からしばらく歩き、日本人経営の旅行会社を目指す。運転マナーが悪く、青信号で渡っていてもひかれそうになって怖かったが、無事代理店に到着。さっそく話を聞いてみると、やはり早めに予約しないと厳しいらしい。

  正直、ギアナ高地からいつ戻ってこられるか不明だが、ここで決断を迫られたので、多少余裕を見て、16日深夜発のサンパウロ(São Paulo)行を確保。ついでに不要な荷物も置かせてもらって、後顧の憂いなく出陣可能となった。

 タクシーでバスターミナルに向かうと、幸いチケット売り場の人が英語を話せたので、難なくボアビスタ(Boa Vista)行の夜行バスを確保。まもなくバスに乗り込み、12時間あまりかけて、翌朝には到着することができた。

  そして、そのままチケット売り場に駆け込み、今度はベネズエラ国境の町、サンタ・エレナ・デ・ウアイレン(Santa Elena de Uairén)まで購入しようとするが、相手はポルトガル語でしゃべり倒すのでわからない…ジェスチャーから、バスがないのでチケットを売れない、と言っているようだが、そんなはずはないだろう。いきなり困ってしまった。

  念のためバスが来ないかチェックするが、目的のバスは一向に現れず、それを目当てにした客の姿もない。本当にバスはないのだろうか…そこで、英語で話しかけてきた物売りに頼んで、交渉してもらう。すると、ちょうどカラカス(Caracas)行のバスが現れ、チケットの発売も開始された。やれやれ…

 最も恐れる国

 国境を越えるバスはガラガラで、10人ぐらいしか乗っていなかった。のんびり横たわりながら北上すると、3時間ほどで国境に到達。いよいよ最難関と目されるベネズエラに入国だ。

 噂ではいろいろ問題があると聞いていたので緊張したが、ツーリストカードを所持していたせいか、入国審査は驚くほどあっさり終了(ただし、滞在期間は長めに申告しておく)。そして、そこから20kmほど走って、昼過ぎにはサンタ・エレナにやって来た。

  ここベネズエラは、南米の中でも治安の悪い国なので、できることなら来たくはなかった。1980年代後半から続く不況による失業者の増加、インフレ率の上昇、先行き不透明な経済情勢、警察官の不足などにより、強盗・殺人・誘拐等の凶悪犯罪が頻発している。2002年には、強盗が8万536件、殺人が9570人と過去最高を記録し、今年はそれを上回るペースになっているのだ。

  また、コロンビアから北米やヨーロッパ市場への麻薬密輸ルートにもなっており、主にコロンビアとの国境地帯で、ゲリラ等による誘拐が急増している。警官や軍人の腐敗もひどいらしく、首都・カラカスなどでは、バスやタクシーの利用も危険となっている(つい最近も、空港からタクシーを利用した日本人が、途中で金品を奪われた上にスラム街に放り出され、身包み剥がされたという)。おまけに、この2年で通貨価値は1/3.5に下落、物価は2倍以上に上がっている。公定レートと闇レートの差も激しく、これでは治安が悪化するのも無理はない。

  このように、ベネズエラは、今回訪れる国の中で最難関であり、最も恐れていた国である。

 ギアナ高地への思い

  しかし、そんな危険を承知の上でも、ギアナ高地にはどうしても来たかった。ここは地球最後の秘境と言われ、コナン・ドイルの小説『失われた世界』のモデルにもなったところ。年間を通じて霧に覆われており、未だ正確に航空測量が行われていないらしい。標高差1000mに及ぶテプイ(Tepui:テーブルマウンテン)をテレビで見てから、是が非でも行かねば、と固く決意していたのだ。

  また、ここは太古の歴史を考える上でも興味深い。ギアナ高地一帯は、16~20億年前の先カンブリア時代の岩盤が隆起したもので、その後、風雨により侵食されて、大小100以上のテーブル状の山塊が造られた。2億5000万年前のゴンドワナ大陸分裂の際、ここは地殻変動や気候変動の影響を受けることなく留まったが、それゆえに世界最古の生態系が、外界から隔絶されたまま、独自の進化を遂げたのである(植物の種類は4000種を越え、その75%が固有種である)。

  そして、その中心をなすのがカナイマ国立公園(Parque Nacional Canaima)だ。世界自然遺産にも登録されており、鬱蒼とした密林、グラン・サバナ(Gran Sabana)と呼ばれる草原地帯、屹立するテーブルマウンテン、そこを流れ落ちる無数の滝と、目を見張る光景が目白押しである。ただ、観光できる場所は限られており、最高峰のロライマ山(Monte Roraima:2810m)へのトレッキング、グラン・サバナの滝巡り、そして世界一の落差を誇るアンヘルの滝(Salto Angel:979m)を訪れるぐらいとなっている。

 そこで、タクシーでLa Casa de Gladysに送ってもらったら、向かいの旅行会社に出向き、ツアーについて(お互いつたない英語で)相談。すると、明日ロライマ山のトレッキング・ツアーがあるというので、それに便乗することにした。合わせて、アンヘルの滝へも続けて行けるよう手配してもらい、思いがけずあっさりと計画が固まった。

 その後、支払いのため街中に赴き、闇レートで両替する(公定レートではUS$1=Bs.1,600だが、闇レートではUS$1=Bs.2,400になる)が、ここはブラジルとの国境近くなので、心配するほど治安は悪くないようだ。とりあえずカラカスに行くことはないし、途中の予定も決めてしまったので、これなら何とかなりそうな気がしてきた。

Mt Roraima
ロライマ山

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