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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

72.赤土の大地 (2003/4/24:晴

 ヘソ接近

  いよいよオセアニア旅行の(ほぼ)最後を飾る地、ウルル・カタジュタ国立公園(Uluru Kata Tjuta National Park)に向かう。地球のヘソとも呼ばれる世界最大級の一枚岩、ウルル(エアーズ・ロック:Ayers Rock)、そして大小36もの奇岩からなるカタジュタ(ジ・オルガス:The Olgas)は、絶対に訪れなければと思っていた場所である。強行軍で疲れもたまっていたが、もう楽しみで仕方なかった(ちなみに世界最大の一枚岩は、西オーストラリアのオーガスタス山(Mt Augustus)である)。

  バスは7時前にピックアップに現れ、他の観光客をたくさん乗せて出発となる。今回はツアーバスを片道の交通として利用するが、雰囲気は当然ツアーで、道中ビンゴゲームを行ったり、お菓子のサービスなどもあって、ちょっと得した気分だ。

  バスは途中休憩を挟み、3時間ほど経ったところでキングス・キャニオン(Kings Canyon)との分岐に差しかかる。本当なら先にキングス・キャニオンの方を訪れたかったが、交通の便を考えると実現できなかった…ここで乗り換える人たちを見送り、バスは一路ウルル・カタジュタへと走っていった。

  この辺りからはレッドセンターの名にふさわしい赤土の大地が広がり、荒漠たる光景に魂が揺さぶられるようだ。するとまもなく、左手にコナー山(Mt Conner)の姿が見えてくる。ウルルをそのまま山にしたような形で、早とちりする人もいるらしい。この展望台でしばし休憩を取って、いよいよ「世界の中心」に接近していった。

Desert at Red Centre
レッドセンターの赤土

Mt Conner
コナー山

  しばらく走り続けると、前方にはウルルと思しき一枚岩が見え隠れしてきた。あれなのか…迫るにつれ、感動もこみ上げてくる。そして、バスはほぼ予定通り12時にユララ(Yulara:エアーズロック・リゾート)に到着。さっそくOutback PioneerにあるYHAにチェックインし、不要な荷物を置いて出発の準備を整えた。

 異星のごとき聖地

  ここから先、ウルルやカタジュタを訪れるのはツアーが一般的だが、私は行動を制約されたくなかったので、シャトル・タクシーを利用することにしていた。迎えの車は1時過ぎに到着したが、いざ車内に乗り込むと、後ろにいた人が小声で「どっこいしょ」と言いながら席に座りこんでくる。日本人ぽいとは思っていたが、まさかこんな形で明らかになるとは…(汗)

  そこで声をかけてみると、彼は名古屋から来たサラリーマンで、上司や同僚に渋い顔をされながら、無理やり5日間の休みを取ってきたという。ウルルには今日到着したばかりで、明後日にはケアンズに飛ぶらしい(年齢的には私とそう変わらなさそうだ)。

  彼はウルルに登るのが目的だそうで、ウルルがアナング(この地域のアボリジニを特にそう言う)の聖地であることに触れると「すみません、それでも登ります」と言う。別に私に謝られても困るが、ともかくその決心は固いようであった。

  車は一路カタジュタに向かうが、右手には早くもカタジュタの奇岩群が現れ、独特の景観を見せてくれている。すると途中、カタジュタの展望台で休憩となったので、歩いてその景色を眺めにいった。

  ところが、さっそくハエの大群が襲来し、とんでもない軍勢にたかられてしまった。私は購入したばかりのハエ除けネットがあるのでまだマシだ(それでも撮影は大変だった)が、名古屋の彼は無防備にハエの攻撃を浴び続けている(黒い服だったので余計ひどい)。まったく、のっけから油断大敵である。

View of Kata Tjuta
カタジュタの全景

  その後、カタジュタの近くに迫ると、その想像以上の大きさに圧倒される。この岩山が並ぶ光景は、角度によって様々な表情を見せ、飽きることがない。やがてオルガ渓谷(Olga Gorge)を過ぎ、車は風の谷ウォーク(Valley of the Winds Walk)入口で停車。ここでしばしのトレッキングとなるが、事の成り行き上、名古屋の彼と2人で歩くことになった。

Kata Tjuta
カタジュタの西側

  歩き始めからまもなく、両側に岩山が迫る中を緩やかに登るようになる。1kmほどでカル展望台(Karu Lookout)に到達すると、先々の奇岩群が視界に入ってきた。なかなかの眺めだ。ここを下れば分岐となるが、ひとまず右に進路を取って、狭い谷を進むことにした。

Entrance of Valley of the Winds
風の谷に入っていく

  しばらく谷の中を歩くと、頭上に迫る奇岩が圧倒的な景観を見せている。やがて岩山の間を登り、カリンガナ展望台(Karingana Lookout)に達すると、これまで見えなかったカタジュタの奥深く、巨大な奇岩群が視界に入ってきた。これは良い…とても地球とは思えない、異星のような風景だ。

Rock near Karingana Lookout
岩山が迫る

Walking to Karingana Lookout
カリンガナ展望台に迫る

View from Karingana Lookout
カリンガナ展望台からの眺め

Looking back from Karingana Lookout
来し方を振り返る

  ここで小休止したら、眼下の谷へと下っていく。この辺りは風もあって涼しく、「風の谷」の名前の由来もわかる気がする。一通り下り終えて林を抜ければ、今度は先ほど遠望した奇岩群が180°の雄大な展望を持って迫ってくる。これは圧巻だ!

  景色は歩くにつれて少しずつ変わるが、昼時とあって人の往来はそれほどでもなく、じっくり眺めることができる。岩山はそれぞれに独特の表情があり、どれも神秘的で美しい。私は何度も振り返りながら、少しずつ歩を進めていった。

  こうして周回して分岐まで戻ったが、あまりに幻想的な光景に驚かされた。この頃になってツアー客が多数押し寄せるようになったが、ここまで歩けばもう許容範囲だ。結局、我々はピックアップ予定時間より少し早く帰還したが、ハエが結構うるさいので、散歩したりして時を稼いだのであった。

View of Valley of the Winds
奇岩群のパノラマ

 赤く染まれ

  迎えの車は4時過ぎに到着し、オルガ渓谷経由でウルルに戻っていく。気がつけば陽が西に傾き、赤みを増した一枚岩が徐々に近づいてきた。そして、車はいったんウルルの周回道路に入り、周りを一周してからサンセット・ビューイングエリア(Sunset Viewing Area)に向かった。

  もう日没が近いこともあって、駐車場はたくさんの車と人であふれ返っていた。中には食事をしながら待っている人もいる。今日は雲ひとつない快晴で、絶好の天候だ。

  やがて陽が暮れ、だんだんとウルルが赤く染まり始めた。さすがに美しい…もっと赤くなぁれ、と思って眺めていると、なんと意外に早く陽が落ちてしまい、赤みも失せ始めてしまった。そう、夕焼けは雲ひとつない状態よりも、少しぐらい雲がある方が赤く染まるのである。

  写真で見る「燃えるような赤」にはならず残念だったが、まずまずの赤みが見られ、気分もまずまずであった。そして完全に陽が暮れたところで車に乗り、リゾートに戻っていった。

Sunset Uluru
夕焼けのウルル [→Flashスライドショー]

  ところで、宿に戻ると日本人が結構いて、ウルルに登った自慢話などが耳に入ってくる。いったいどれほどの人がアナングの意思を知っているのだろうか…複雑な思いを胸に抱きながらも、明日のウルル訪問に備えた。

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