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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

61.無垢の自然島 (2003/4/9:曇後晴

 ナチュラリスト気取り

  朝8時過ぎ、フェリー乗り場となるヒンチンブルック・マリーナ(Hinchinbrook Marina)行のバンがピックアップに訪れ、7人の若者グループ(ツアー?)とともにマリーナに向かった。この時期はまだ雨季から乾季へ移り変わる狭間にあるため、乗客も10人程度と疎らだ。それでも、この島には行ってみたいと思っていた。

  ヒンチンブルック島は、東京都区部ほどの大きさを有し、島の国立公園としてはオーストラリア最大である。クィーンズランド州最高峰となるボーウェン山(Mt Bowen:1121m)を始めとした急峻な山々が聳え、島内には熱帯雨林、熱帯ユーカリ林、海辺にはマングローブ林が茂るという。 『地球の歩き方』には「ブッシュウォーカーやナチュラリストに人気の島」と書かれており、ナチュラリスト気取りの者としては行かずにはいられない。

 しかも、ここには有名なソースボーン・トレイル(Thorsbone Trail)がある。今回はまだ時期ではないし、日程的にも難しい(3泊4日ほどの行程となる)ので断念したが、せめて寄るだけでも寄ろうと思い、日帰りツアーに参加したわけだ。

  もともとの予定では、アーリービーチから夜行バスに乗り、8日に上陸しようと考えていた。ところが問い合わせてみると、現在はオフシーズンのため週2便のみ、次は9日だという。そこで止むなく9日で予約し、1日調整して来たのであった。

  フェリーは9時に出発予定であったが、予約していた1組のカップルが現れなかったので待機し、20分ほど経って諦めて出港した。ところが、しばらく島に向かって航行すると、突然港に引き返していく。何ごとかと思ったら、遅れていたカップルが到着したので戻ったのだ。そして再び港を離れ、正面にガーデン島(Garden Island)やグールド島(Goold Island)などを見ながら、穏やかな海を進んでいった。

Hinchinbrook Island
ヒンチンブルック島

  走り出すと、右手には早くもヒンチンブルック島の山々が迫ってくるが、頂上部は雲に覆われて良く見えない。すると船長がレーダーを見て、近くにジュゴンがいると言い出した。この辺りは有名な生息地らしいが、果たして見られるのだろうか…そこで注意深く周辺を探すが、結局その姿は見られず、航行再開となった。

 そして、 40分ほどでロッジのあるケープ・リチャーズ(Cape Richards)に到着。ここで物資を運搬したり、ロッジの客が乗船してきたりと忙しいが、桟橋には大きな魚が現れ、愛嬌を振り撒いている。なんともユーモラスだ。

Big fish at Cape Richards
ケープ・リチャーズに現れた魚

  船は再び走り始め、ミッショナリー・ベイ(Missionary Bay)を奥へ奥へと進む。まもなくマングローブ林の中に入り、狭い水路を航行。途中からはさらに水路が狭くなり、小型艇に乗り換えてゆっくりと進んでいくが、両側に迫るマングローブが印象的だ。まさに無垢の自然に覆われた島だと実感させられる。

Forest at Missionary Bay
ミッショナリー・ベイのマングローブ林

 熱帯雨林散策

  船はやがて船着場にたどり着き、ここから数分歩いて対岸のラムセイ・ベイ(Ramsay Bay)に向かう。湾にはソースボーン・トレイルを歩いてきた人たちが休んでいたが、船の到着に皆安心したような顔をしていた。

 ラムセイ・ベイにやって来ると、 ツアーは自由時間になり、皆ビーチから海に入って一泳ぎする。天気は曇りがちで、今にも雨が降りそうだったが、このビーチもなかなか綺麗だ。私も水着になって、しばしの海水浴を楽しんだ。

Ramsay Bay
ラムセイ・ベイ

  その後、船の出発時間が迫ったところで引き返すが、ここで小雨がぱらついてきた。不安が募るものの、ともかく新たな客人を10人ほど連れて、再びマングローブ林を抜けて北上していった。

  この先、船は途中のマクシラ・ポイント(Macushla Point)に寄るが、ここで希望者はロッジまでの熱帯雨林散策を楽しむことができる。私はもちろん、ここを歩くと事前に通知していたので、例の7人組とともに、マクシラで降りて船と別れた。

  マクシラ周辺はキャンプ場になっていて、他にも何名かの人がバカンスを楽しんでいる。さっそく用意されたランチを食べ始めると、すぐ近くで物音がした。何だろう、と思って目を凝らすと、2匹のイグアナ(らしき動物)が動いているのだ。こちらが近づいていくと慌てて逃げていったが、トイレには小さな蛇がいて驚かされたりと、本当に手つかずの自然が残された島である。

Macushla Point
マクシラ・ポイントにて

  私は、例の7人が先に行くのを待って出発する(一緒に行かないかと誘われたが断った)。美しいマクシラのビーチを後に歩き始め、アップダウンをこなすと、まもなく北側のビーチに出た。この頃にはすっかり雲も無くなり、痛いほどの日差しとなっていた。

  再び森に入ると、今度はマングローブ林が迫るビーチへと出ていく。ここを過ぎるとしばらくは森歩きで、明るい熱帯雨林を散策。考えてみれば熱帯雨林は初めてだと思うが、意外にあっさりしているという印象だ(アマゾンなどの鬱蒼とした森をイメージしていたためかもしれないが)。

Rain forest at Hinchinbrook Island
ヒンチンブルック島の熱帯雨林

  前に追いつかないようゆっくり歩いていくと、しばらくで分岐に差しかかり、ここを左に入る。林の中を緩やかに下っていくと、突如歓声が聞こえ始め、まもなく北シェパード・ビーチ(North Shepherd Beach)に降り立った。ここは2kmほどの長さがあるビーチで、開放的な海の景色が心地よい。しかし集団に追いついてしまったため、何枚もの記念撮影を頼まれて大変だ。

  トレイルはここから浜辺を延々北上していくが、私は集団と適度な距離を保ち、追いつかないよう心がけて歩いていく。そして北端までやって来ると、集団がなにやら地面を覗いていた。何かと思って後から見ると、そこには浜辺で息絶えたウミガメの姿があった。南無阿彌陀仏…

North Shepherd Beach
北シェパード・ビーチ

  ここからは再び熱帯雨林に入り、丘裾にそって緩やかに登る。あまりに遅いので、途中で集団を追い抜いていくと、しばらくして下りとなり、意外にあっけなく集落に到着した。まだ船の時間まで余裕があったので、対岸のオーキッド・ビーチ(Orchid Beach)にあったシートに横たわり、波の音をBGMに、時間を忘れて過ごしたのであった。

Orchid Beach
オーキッド・ビーチ

 北上終了

  こうしてフェリーは4時にロッジ前を出発し、一路マリーナに向けて疾走していく。ボーウェン山はいまだ雲に隠れていたが、時間とともに確実に好天になっていた。そして、船から見えなくなる手前でようやく一瞬その姿をさらし、別れの挨拶をしてくれる。これでひとまず満足で、後は美しい海を眺めながら過ごした。

View of Hinchinbrook Mountains
ヒンチンブルック山脈

  マリーナからはバンでバス停まで送ってもらい、5時過ぎのバスでケアンズ(Cairns)に向かう。メルボルンから始まった東海岸北上バスの旅も、いよいよ最後だ。

  そして、バスは3時間ほどでケアンズに到着し、それとともに喧騒と蒸し暑さが襲ってきた。ここで荷物を担ごうとすると「ブチッ」と音がして、バックパックの一部が壊れてしまった(以前から壊れかけていたのだが)。残念だが仕方がないと割り切って、U2 Backpackersの迎えの車で宿に向かった。

  ケアンズには5泊する予定だったが、これまでの宿の騒々しさにウンザリしていたので、街の喧騒からは無縁でシングルの安い宿を選んだ。ところがこちら、安くて静かなのは良いのだが、冷房はなく、おまけに『地球の歩き方』の地図よりも遠い(住所は変わっていないので、宿が悪いわけではないが)。少々思惑は外れたが、まぁ耐えられる範囲内だったので受忍することにした。

  しかし、それにしても暑い!これでも夏に比べればだいぶ涼しくなったらしいが、北上してきているので、暑さが気になるばかりだ。当然掛け布団など要らず、扇風機をかけたまま眠りについた。

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