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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

58.歩いても歩いても砂 (2003/4/4:曇時々雨後晴

 悲しみの砂丘

  雨宿りの転寝から目を覚ますと、雨はもう止んでいたが、時間はまだ夜中の12時過ぎであった。とりあえず寝支度を整えたら再び就寝し、朝になって起きると、空はどんよりとした曇り空に変わっていた。

  そこでトイレでコンタクトレンズを付けようとすると、洗浄の際、水の勢いでレンズがケースから外れてしまった。慌てて手を差し伸べるが…あぁ…あっという間に蛇口に吸い込まれてしまった。タスマニアで調達したばかりだったので、わずか3週間ほどの命だったが、こんなところではどうしようもない。やむなく再び半政宗状態となり、キャンプ場へと戻っていった。

  朝食を済ませたら、雨で濡れたテントの撤収作業を行う。他の2組は車で来ているので、まだ起き始めたばかりだ。今日の行程は約4時間(17km)、2時にはユーロンに到着するよう指示されているので、9時には出発することにした。

  誰もいない道を静かに歩き始めると、しばらくは森の中の登りが続く。この道沿いは蜘蛛の巣が多くて、油断しているとすぐに目や顔に付いてしまう。特にやっかいなのが黄色の巣で、たちまちズボンの一部が黄色くなってしまった(しかも、やたら多い!)。

  まるでサバイバルのような道を進み、蜘蛛の巣を掻き分けながら、急登をこなして平坦な道をゆくようになると、今度は倒木が道をふさいだり、草木が道を覆うように生えていたりして苦労させられる。それだけ歩く人が少なく、整備もされていないということだろう…

Boomanjin Trail
道中の草木

  やがて左手に丘が現れ、丘に上がる足跡が見えた。何があるのだろうと、好奇心に掻き立てられて登っていくが、砂地の急な登りゆえ、足を取られて大変だ。

  それでもどうにか登ると、目の前には広大な砂丘が広がっていた。ここはウォンギ砂丘(Wongi Sandblow)で、西には来し方のブーマンジン湖、東には大海原を見ることができる。しかし曇っているせいか、あるいはコンタクトをなくして気分が沈んでいるせいか、どこかもの悲しい風景に映る。誰もいない砂丘で1人たたずみ、この悲しみの砂丘をしばし眺めて過ごした。

Wongi Sandblow
ウォンギ砂丘

 延々と続く砂浜

  元の道に戻ると、しばらくして海岸に向けた下りが始まった。それほどきつくないが、いかんせん蜘蛛の巣が多くて苦戦を強いられる。無くなったかな、と油断するとまた現れたりして、なかなか手強い。注意しながら慎重に歩いていった。

  やがて、アップダウンをこなすと整備された道になり、湿地帯を木道で渡ったところで車道に遭遇。海岸線近くのディリー・ビレッジ(Dilli Village)まではもうすぐだ。ここまで1時間半ほど、まずまずのペースだが、このビレッジ前で休憩していると雨が降り出してきた。これはすぐに止んだが、雨雲が発達しているようなので、この先も油断できない。早々に歩き始めることにした。

  ビレッジから少し歩くと海岸に出て、ここからは75マイル・ビーチを延々10kmあまり歩くことになる。するとまもなく、奇特な人間を慮ったのか、4WDのツアー車が「乗っていかないか」と言ってくれた。こんなこと、オーストラリアでは初めてだが、まだ歩き始めだし、車を見るとかなり混んでいたので、ここは遠慮することにした。

  すると神の怒りに触れたのか、突然大雨が降り出し、右半身がずぶ濡れになってしまった。我慢しながら歩いていくと、雨はしばらくして止んだが、風景は一向に変わり映えしない。雨で少し締まったものの、やはり砂地は歩きにくいので疲れ、時間もかかる。大丈夫だろうか…

  1時間ほど歩くとかなり疲れたので、ゲロウィア・クリーク(Gerowweea Creek)で休むことにする。地図で確認すると…なんと、まだ2kmほどしか歩いていない計算になる。そんなバカな、かなり早足で歩いてきたつもりなのに…とにかく残り2時間しかないので、気合を入れ直して歩き始めた。

Gerowweea Creek
ゲロウィア・クリーク

 たどり着けるのか…

  しかし、相変わらず広大なビーチが広がるばかりで、なかなか進んでいる気がしない。途中では何度かクリークを越えていくが、その周辺で少し景色が変わるほかは同じままだ。おまけにまた雨も降り出して、せっかく乾き始めた服がまた濡れてしまった。いったいどこまで歩いてきているのだろう…大いなる不安を抱えながらも、意地で進んでいく。

  さらに1時間ほど歩き、どこまで来たのかわからぬまま小休止。地図で見る限り、マークウェル展望台(Markwells Lookout)入口まで来ていないと厳しいのだが、特に標識などなく、あったのか無かったのかわからない。果たして時間までにたどり着けるのか、不安は一層膨らむ。間に合わなかったらヒッチハイクという手もあるが、あれから車の数は減り、停まってくれる車も無かった。疲れもだいぶ溜まっている。果たしてどうなるのやら…

  再び歩き始めると、まもなく正面からセスナが離陸していった。飛行機注意の標識も現れた。セスナはユーロン周辺から飛び立っているので、これは案外近そう…希望に胸を膨らませて歩くと、まもなくユーロン・ビーチ・リゾート(Eurong Beach Resort)らしき建物が見えてきた。車や人の数が多くなり、天候も急速に回復してきた。後少しの辛抱だ。

  結局最後は意地で歩き通し、どうにかユーロンに到達。ここまで2時間半ほどだから、1時間に4kmあまり、標準的なペースで歩けたことになる。これで周回コースを歩き通した。約束の時間よりも30分ほど早く着いたが、後は賑わう界隈の中でノンビリと過ごした。

  ユーロンからは再び日帰りツアーのバスに同乗し、セントラル・ステーション経由でキングフィッシャー・ベイに向かう。そして、フェリーに乗り換えて本土に上陸する頃にはすっかり良い天気になり、西陽が美しい姿をさらしていた。

  こうして宿に戻ったら、食事とシャワーだけ済ませて、瞬く間に眠りについた…と言いたいところだが、パソコンのリハビリ作業を続行したため、結局夜遅くまで起きる羽目となった。

  翌日は完全な休養日としたので、チェックアウト後はダイニングで今後の予定などを検討して、ゆるりと過ごす。そして夕方のバスに乗り、またしても夜行で北上を開始。バスは2時間ほど走って、ブンダバーグ(Bundaberg)で休憩を取る。ここからはもう、かの有名なグレートバリアリーフ(Great Barrier Reaf)の圏内だ。その後もさらに北上を続け、G.B.R.の中でも随一の景勝を誇るというアーリービーチ(Airlie Beach)に向かった。

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