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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

55.苦肉の崖上歩き (2003/3/30:晴後曇

 夏の終わり

  この日はブラックヒースに赴くため早起きし、7時半のバスに乗るよう準備を整えて宿を出た。そして途中の店で飲み物を買い、そこで時計を見ると、なんとまだ6時半前であった。もしや…他の店で確認しても同じ時刻であり、まだ歩いている人も少ない。私はてっきり週明けとともにサマータイムが終わると思っていたが、今日、日曜日からだったのだ。ガッカリしたが、代わりに鉄道代替バス(この週末、鉄道が工事で運休し、代替バスが無料で走っていた)を利用して、ブラックヒースに向かった。

  カトゥーンバからブラックヒースまでは2駅ほどの距離だが、途中、高度が上がると、ユーカリの葉が枯れて茶色くなっているではないか。それほど離れていないのに、もう紅葉どころか落葉しているとは…夏の終わりなのだと実感せずにはいられなかった。

  結局、バスは10分あまりでブラックヒース駅に到着したが、時間が1時間遅くなったせいで、まだ7時前だ。そして閑散とする街を過ぎ、朝陽に照らされながら東へと歩いていった。

  およそ4km、1時間弱歩き続けるとゴベッツ・リープ展望台(Govetts Leap Lookout)が現れ、正面にはゴベッツ渓谷(Govetts Gorge)の大展望が広がった。逆光なのでわかりにくいが、断崖を流れ落ちるゴベッツ・リープ滝(Govetts Leap Falls)や谷越しの断崖は迫力ある姿を見せている。まだ早朝で、人がほとんどいないのもまた良い。ここでしばらく景色を眺め、人が増え始めたところで歩き始めた。

View from Govetts Leap Lookout
ゴベッツ・リープ展望台より

 黒い森の影響

  ゴベッツ・リープ展望台からは、まず断崖に沿ってグリフィン・テイラー・ウォーク(Griffin Taylor Walk)を歩き、南のエバンス展望台(Evans Lookout)を目指す。ゴベッツ渓谷を眺めながらアップダウンをこなしていくが、まだそれほど辛くはない。1時間ほど歩くとエバンス展望台にたどり着き、ここからは違った角度からのゴベッツ渓谷を楽しむことができる(ゴベッツ・リープの方が迫力あるが)。徐々に人が増え始めていたものの、まだそれほどでもなく、しばし景色を楽しんでから次に向かった。

View from Evans Lookout
エバンス展望台より

View of Govetts Gorge
ゴベッツ渓谷を望む

  この先はいったん西に向かい、グランド・キャニオン(Grand Canyon)と呼ばれる断崖を下っていく。まずは断崖の上を歩くが、この辺りから森が黒くなっているのが気になる。木々が燃えた跡だが、何かあったのだろうか…

  さらに進むと、歩道が一部通行止めになっているので、車道を歩いていく。そしてニーツ・グレン(Neates Glen)駐車場まで歩き、いよいよ崖下まで降りようとしたところ、"Track Closed"の看板が立ちはだかっていた…なぜ?

  後から来た人たちも困り果て、なかにはビジターセンターに電話をして、理由を正している者もいた。そこでわかったことには、昨年の10月5日に大規模な山火事があり、この周辺が被害を受けたので、それ以来谷底に下るコースが閉鎖されているそうだ。そう言われればそんなニュースがあった気もするが、まさか半年経ってその影響を受けるとは…このコースは非常に楽しみにしていただけに、落胆の度合いも大きい。なんてことだ!

Black forest
黒い森

  仕方ないので、エバンス展望台経由でゴベッツ・リープ展望台に引き返していくが、辺りの風景はもはや色あせて見えてしまう。ゴベッツ・リープの景色は、朝に比べて(光線の関係で)綺麗に見えるが、大勢の歓声もあって今一つだ。しかも、ここからゴベッツ・リープ滝へ下りる道も、崖崩れのため閉鎖されていた。もうどうにもならない…いっそ引き返してしまおうかとも思ったが、それではもったいないので、窮余の策として、さらに先の崖上を歩くことにした。

View from Govetts Leap
ゴベッツ・リープからの展望

  展望台から今度は北に向かい、崖の上の道を進んでいく。所々展望台が設置されているが、日曜日ということで家族連れ等が多く、どこも混雑していた。少々がっかりしながら歩を進めると、少し先で崖に向かって踏み跡が延びている。ここを登ってみると、ひっそりと隠れるように岩の展望台があった。通常のコースとは目と鼻の先なのだが、誰もいなくて静かな上、素晴らしい展望が広がっている。柵もないので、真下を覗くことも容易だ。ここで昼食がてらゆっくり過ごし、大景観を味わった。

View from the secret lookout
秘密の展望台より

  ここからは、また断崖に沿って歩いていく。道中は子供が多く、騒いだり泣いたりして大変だが、淡々と前進。やがてパルピット・ロック(Pulpit Rock)やブルーガムの森(Blue Gum Forest)が見えるようになったが、こちらの方がスリー・シスターズよりよほど良い眺めとなっている。そしてこの岩の展望台にたどり着くと、何百mも切れ落ちた断崖の先に、ゴベッツ渓谷の大展望が広がっていた。この迫力は想像以上で、最も迫力ある展望台と言えるだろう。あまり期待していなかっただけに、ここは来て良かったと思えるところであった。

Pulpit Rock
パルピット・ロック

Blue Gum Forest
ブルーガムの森を眼下に望む

  ここでゆっくりした後は、元の道には戻らず、車道経由でブラックヒースへ引き返していった。未舗装路を抜けて延々と歩き続けるが、これが結構長い。1時間程度で着くかと思っていたが、甘かった…しかし途中の住宅街は非常に綺麗で、住み心地は良さそうなところだ。結局1時間半あまりかかって街に戻り、大渋滞の中、カトゥーンバに戻っていった。

 パソコンまで…

  その夜、ようやく宿の賑やかさも落ち着いてきたので、溜まっていた旅行記の作成作業を進める。ところがパソコンの調子が悪く、数文字打っては勝手に再起動するようなことが頻繁に起こり、作業が捗らない(もう少し前からこうした状況が続いていたが)。それでも徹夜でどうにかタスマニア編まで仕上げて、眠い目をこすりながらシドニーに向かった。

  2時間ほどでシドニーに着いてからは、雨が降りしきる中、まずノーザンテリトリー&アウトバック・センターに立ち寄り、アウトバック周辺の情報収集に当たる。すると、1時から無料のライブショー"Sounds of the Outback"が開演するというので参加。これはディジュリドゥ(アボリジニの楽器)の演奏を、アウトバックの代表的な映像とともに行うのだが、これが思いのほか面白い。何か引き込まれるようなものがあって、アウトバックへの興味を強力に掻き立ててくれる。この先、可能な限りアウトバックに時間を割くべきだ、そう確信してこの場を後にした。

  昼食を取ってからは、パソコンをネットに繋ぐために、現地日本人の旅行会社に出向いて相談する。ところが、そんなのは聞いたことがないとの冷たい返事…シドニーともあろう街で何もないはずはない!と食い下がると、いろいろ調べた末に、地下鉄で数駅先のボンディ・ジャンクション(Bondi Junction)まで行けば繋ぐことができるという。もう次のバスまで時間がなかったが、徹夜を無駄にしないためにも、電車に乗って指示された場所に出向いた。

  こうして無事ネットに繋ぐことができたが、ファイルの送受信をしている間にパソコンがフリーズし、それ以降起動しなくなってしまった。こんな時に!と何度も起動を試みるが、一向に立ち上がってはくれない。そうこうするうちに時間切れとなったので、泣く泣くシティに戻り、ブリスベン(Brisbane)行の夜行バスに飛び乗った。一眼レフカメラに続いてパソコンまで使えなくなってしまうのか、との大いなる不安を抱きながら…

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