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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

44.隠れた岩壁 (2003/3/15:曇時々晴

 まずは小手調べ

  タスマニアでは、オーバーランド・トラックとフレシネ国立公園には是非行きたいと思っていたが、滞在中に寄ってみたいと思うようになったのがタスマン半島(Tasman Peninsula)である。

  ここはポート・アーサー(Port Arthur)の流刑場跡などが有名で、たいていのツアーはここに寄ってお茶を濁すのだが、実は海岸線周辺のタスマン国立公園(Tasman National Park)には急峻な断崖がいくつもあり、ウォーキング・トラックも整備されている。特に65mの高さを有する岩塔、トーテムポール(Totem Pole)は魅力的で、写真で見るにつけ行ってみたいと考えるようになったのだ。

  そこで、今回は日程の都合上日帰りとなる(フレシネ方面へのバスが限られているため)が、レンタカーを借りて立ち寄ることにした。

 さて、 9時過ぎにホバートを出発し、一路タスマン半島に向けて快調に走っていく。週末とあってしばらくは交通量が多かったが、半島方面の道に入ると、車両の数はかなり減ってくれた。どうやら途中のビーチに行く車が多かったようだ。

  1時間ほど走ったところで半島への入口に差しかかるが、展望台が現れたので寄り道。ここからはパイレーツ・ベイ(Pirates Bay)やその先の断崖が見渡せ、遠くにはトーテムポールのあるケープ・ホーイ(Cape Hauy)も望むことができる。やや雲が多かったが、晴れ間も覗いてまずまずだ。最初は1人で堪能していたが、しばらくして多くの車がやって来たので、まもなく退散することにした。

View from Tasman lookout
タスマン展望台より

  ここを過ぎると、まもなくイーグルホーク・ネック(Eaglehawk Neck)にたどり着くが、せっかくなので近くの観光名所に立ち寄ってみる。まずはタスマン・ブローホール(Tasman Blowhole)に寄るが、ここは断崖にできた穴に潮が入り込んでいる程度で、それほどではない(むしろ近くの展望台の方が、この先続く断崖が間近に見られて迫力がある)。

  続いて有名なタスマン・アーチ(Tasman Arch)とデビルズ・キッチン(Devils Kitchen)に出向く。駐車場にたどり着くと、目の前にタスマン・アーチがあって少々拍子抜けだ。ここは断崖に穴が開いてアーチ状になっているのだが、まぁこんなものだろう。

  デビルズ・キッチンまでは歩いて10分ほどだが、こちらは狭い断崖になっていて、そこそこの迫力だ。近くの展望台からは再び急峻な海岸線が見られ、一般観光客にはこれで十分なのだろう。人もそこそこ多かったので、いよいよメインとなる場所へ移動することにした。

Tasman Arch
タスマン・アーチ

View of Tasman Peninsula
断崖の海岸線を望む

Devils Kitchen
デビルズ・キッチン

 断崖だらけ

  イーグルホーク・ネックからは、しばらくポート・アーサー方面に車を走らせ、フォーテスキュー・ベイ(Fortescue Bay)の案内に従って左折する。この先は未舗装路が続くが、悪路ではないので、小型車でも十分走れる。対向車がほとんどない中を疾走し、結局30分ほどダートを走ってフォーテスキュー・ベイに到着。ここに車を置いて準備を整えた。

  トラックはミル・クリーク・キャンプ場(Mill Creek Camp Ground)の奥から始まっている。週末で賑わうキャンプ場を後にすると、しばらくは海岸沿いの森の中を歩く。最初の10分ほどは平坦な道が続くが、やがて緩やかな登りとなった。西の方は晴れているのに、こちらは雲がかかったままなので、天候の回復を祈りながら先へ進む。

  何の変哲もない道を歩いていくと、50分弱で分岐に差しかかった。ここで右折すれば、さらに南のケープ・ピラー(Cape Pillar)まで行くことができるが、これでは1泊2日以上のコースになってしまう。今回は日帰りなので直進するが、本当は合わせて歩けると良いのだろう(ロンリープラネット社のガイドブックでも、合わせて2泊3日のコースとして紹介されている)。

  分岐から少し進むと一転して下りになり、前方の視界が急に開けてきた。目の前には断崖と海が見え、この先のコースも見えている。ここを下っていくと、反対側の断崖も視界のうちとなり、その先にはケープ・ピラーの姿もある。断崖は何十mも垂直に切れ落ちた岩盤となっているので、なかなかの迫力だ。

Rocks near Cape Pillar
ケープ・ホーイ途中の断崖

Cliffs near Cape Pillar
海岸線から屹立している

  さらに進んでいくと、トラックは断崖付近を通るようになり、淵に立てば足がすくむほどだ。高所恐怖症の人には耐え難いだろうが、こんなところが隠されているなんて、やはりタスマニアは侮れない。

  この先は断崖だらけで、ところどころ切り立った岩壁の淵を歩きながら進む。まもなく、前方にはケープ・ホーイの先端が見えてきた。正直ここまで楽しめるとは思わなかったので、次はどんな景色が広がるのだろうかと、楽しみにしながら先端目指して歩いていった。

Tasman cliffs (2)
足元がすくみそう

Tasman cliffs (1)
垂直に落ち込む断崖群

Cape Hauy
ケープ・ホーイ

Totem Pole
トーテムポール

 ついに現れた

  分岐から30分あまり歩いたところで、道はついに開けた岩の上に出た。先を覗くと、やや低いところに、海から突き出たような岩が見える。あれがトーテムポールだろうか? その横には、1本の細い岩が突き出している。これはキャンドルスティック(The Candlestick)という岩だろう。ともかく上から見るのでは迫力に欠けるので、岩壁を少し下りてみる。

  幸いにも何となく道ができているので、すぐ横に海と岩を見ながら高度を落としていく。しかし、下るにつれて徐々に厳しくなってきたので、中ほどまで下りたところで諦め、岩の淵に出てみる。と、先ほどとは段違いの迫力で、トーテムポールが迫っているではないか。なるほど、確かに見応えのある岩だ。せっかくなのでここで腰を下ろし、誰もいない中、この迫力をじっくりと味わったのであった。

  30分ほど休んだら、来た道を引き返していく。さすがにトーテムポール周辺の景色を見た後では、最初の方の断崖は物足りなくなってしまうが、それにしても人が少ない。週末にもかかわらず、今回もわずか3人とすれ違っただけで、それも一瞬だ。たかだか往復4時間でこれだけの景色が味わえるというのに、もったいない限りである(一方で、ポート・アーサーの方は混んでいるのだろう)。

  最後の登りをこなして分岐に戻ったら、左折してモニュメント展望台(Monument Lookout)に寄り道。すると10分ほどで断崖に達し、ケープ・ピラー方面の大展望が広がった。真下は100m近く切れ落ちていて、相当の迫力だ。しかも、またしても誰もいないのだ。やはり来て良かった、そう実感せずにはいられなかった。

View from Monument Lookout
モニュメント展望台より

  こうして、展望台からはおよそ1時間かけて駐車場に戻り、後は来た道を引き返していった。そして夕方にはホバートに戻り、今日は気分を変えるためNarrara Backpackersに宿泊したのであった。

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