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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

42.奇岩峰の大パノラマ (2003/3/12:晴一時霧

 霧が晴れれば

  オーバーランド・トラックも3日目。今日はタスマニア最高峰、オサ山(Mt Ossa:1617m)を通っていくが、この区間は核心部だけに、天気に恵まれて欲しいところである。

  ところが、朝起きると辺り一面に霧が立ち込めており、天候が崩れるのではないかと嫌な予感がしてくる。しかし、いざ出発する段になると、これから向かう南側には青空が覗き始めているではないか。どうやら標高の低いところで雲海になっているようなので、きっと霧は晴れると信じて歩き始めた。

  始めのうちはダグラス・クリーク(Douglas Creek)に沿って緩やかに登っていくが、次第に傾斜はきつくなっていく。気がつけば上空の霧もだいぶ晴れて、結構暑くなってきた。アクセクしながら森の中を登っていくと、やがて樹林越しにオサ山が見え、左手には東ピリオン山(Mt Pelion East:1433m)が奇怪な姿を見せている。その景色に励まされながら登っていくと、徐々に木の高さが低くなり、傾斜も緩くなってきた。峠はもうすぐだ。

  1時間あまり歩いて、ぺリオン・ギャップ(Pelion Gap:1126m)に到達。ここからはオサ山や東ピリオン山はもちろん、南側のドゥケイン山脈(Du Cane Range)も雲海越しに見えている。暖かくなるにつれて雲海の動きが早くなり、だんだんと上空に上がってきていた。天気は間違いなく良くなっている。ここからオサ山頂への道が分岐しており、既に2人がリュックを置いて登っているようだったので、私も不必要な荷物を置いて登ってみることにした。

Mt Pelion East
東ピリオン山

 さすがは最高峰

  10分ほど急な登りをこなすと、道は平坦な台地上をゆくようになる。パインストーン・バレー(Pinestone Valley)を眼下に見ながら、ドリス山(Mt Doris)を巻いて進んでいくと、いったん下りとなり、やがて本格的な登りに差しかかった。登り始めは、オサ山がまるで2本の鉄塔のように見えているが、ここの間を登るのだ。岩場だらけの急登なので、結構厳しい…途中で例の2人が下りてくるが、この先はさらに厳しいので、三脚を持って登るのは難しいという。ともかく、気を引き締めていくしかない。

Mt Ossa and Doris
オサ山 (中央) とドリス山 (右)

Mt Ossa
オサ山

  登りはいよいよ厳しさをまし、岩がゴロゴロした地帯を急上昇していく。一歩一歩着実に登っていくが、眼下に目を転じると、景色は一層高度感を増し、周りの雲も晴れてきていた。とりわけマクファーレン湖(Lake McFarlane)越しのドゥケイン山脈が美しい。そして最後の急登をこなすと稜線に達し、ここからは緩やかな登りが続いた。

  こうして1時間ほどで山頂台地に達すると、360°のパノラマが広がっていた。さすがに最高峰だけあって、遮るものは何もない。広大な台地の彼方にはクレイドル山やバーン・ブラフも見える。あそこから歩いてきたのかと思うと、感激も一潮だ。

Lake McFarlane
マクファーレン湖とドゥケイン山脈

North view from Mt Ossa
オサ山頂より北側を望む (奥がバーン・ブラフとクレイドル山)

  山頂では1人だったので、思う存分景色を楽しむが、いまだ半政宗状態であることを忘れそうな景観だ。雲海も徐々に上昇し、東に流れては消えていっている。もう少し待てばさらに消えるなぁと思いながら、のんびり構えて待つことにした。

  すると、しばらくして登ってくる人が現れ出した。最初の1人は日本に住んだこともあるオージーで、私に対して日本語で感激ぶりを表してくる。まもなくその友人たちも登ってきて、携帯電話をかけてはしゃぐようになった。気持ちはわからないでもないが…

  そうこうするうちに雲はみるみるなくなり、見渡す限りの大パノラマが広がった。奇岩峰が多く不思議な光景だが、こんな日に歩けたのは幸運以外の何物でもない。最高だ!

South view from Mt Ossa
ドゥケイン山脈方面を望む

East view from Mt Ossa
カセドラル山方面を望む

  気がつけば1時間以上経ち、人もだいぶ多くなってきたので、下山に取りかかることにする。登りに比べれば下りは楽なものだが、登ってくる人の数は増える一方だ。なかには子供もいて、本当に大丈夫かと心配になる。

  景色はもう言うことのないほど素晴らしいもので、絵になる風景が山ほどある。朝のうちは逆光で見えにくかった東ピリオン山も綺麗に見えているし、これから向かうドゥケイン山脈やカセドラル山(Cathedral Mountain:1378m)を始めとした岩壁群も、迫力ある姿を示している。ここは十分に時間をかけて歩くことにした。

Cathedral Mountain
カセドラル山など

Mt Pelion East with woods
東ピリオン山と枯れ木

  1時間かけてゆっくり下ると、峠にはたくさんのリュックが置かれていた。これだけの人が登っているのかと思うと少々うんざりだが、ともかく先へ急ぐとしよう。のんびりし過ぎたため、既に1時半、次のキアオラ・ハット(Kia Ora Hut)までは1時間少々だが、今日は欲張ってさらに先のウィンディリッジ・ハット(Windy Ridge Hut)まで行く予定なので、さらに3時間ほどかかることになる。峠で休む人たちを尻目に、軽食だけ取ったら歩き始めた。

  峠からは、しばらくパインストーン・バレーを緩やかに下っていく。昼下がりのオサ山もなかなかの迫力だ。しばらくして森に出たり入ったりしながら進むと、1時間ほどでハットに到着。カセドラル山が間近に迫っているが、ここで遅めの昼食を取り、水を補給(チョロチョロしか出ない)して先を急いだ。

View of Mt Ossa
昼下がりのオサ山

 冷温帯雨林を抜けて

  ハットからはまもなく樹林帯に入り、ひたすら森の中を歩いていく。この辺りは貴重な冷温帯雨林なのだが、NZの深い森を見てきた後では、いまいち印象に欠ける…

  ドゥケイン山脈を巻きながら歩きやすい道を淡々と進むと、40分弱で避難用のドゥケイン・ハット(Du Cane Hut)が現れた。ここではあまりに近いので、この先20分あまり歩いたところで小休止。すると逆方向から歩いてきたおじさんが、次の小屋には水がないと教えてくれた。近くで湧く沢から取れるらしいが、意外な展開で少々ビックリだ。

  気を取り直して歩き始めると、まもなく急な下りとなる。こんなところあったかなと思いながらも下っていくと、しばらくして右にファーガソン滝(Fergusson Falls)、左にダルトン滝(D'Alton Falls)への分岐表示が現れた。しまった…これはサイド・トリップで、途中で標識を見落としてしまったのだ。仕方なく引き返すが、ショックと疲労で思うように足が動かない。結局往復20分ほどロスしてこの場を去った。

  さらに15分ほど歩き、ハーネット滝(Hartnett Falls)への分岐を過ぎると、道はいよいよ登りとなる。先ほどのおじさんは、この峠道は急だと言っていたが、木道の整備された緩やかな道が続くばかりだ。結局、40分ほど森の中を歩いたらドゥケイン・ギャップ(Du Cane Gap)に到達。あまりにあっけなくて拍子抜けしてしまった。

  この先の下りの方が急だったが、クレイドル山やオサ山と比べれば問題ではない。30分あまり下ったところでテントが点在し、まもなくハットにたどり着く。今度こそ満員かと思いきや、またもや小屋は空いていて、何ら問題なくスペースを確保することができた(結局テントは使わずに済んだ)。

  小屋で食事の支度をしていると、オサ山の登り途中で会った2人と遭遇。三脚を持って登ったことを伝えると、信じられないという素振りであった。また、小屋にいた若い女性と挨拶程度の会話をした時には、新ピリオン・ハットからオサ山経由で来たことを伝えると「クレイジー」呼ばわりされた。全く大したことをした覚えはないのだが、何だか優越感に浸って眠りに耽った。

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