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旅行記:オーストラリア(世界自然旅)

40.クレイドルの奇石 (2003/3/10:晴時々曇

 天気を合わせて

  情報収集などで予想以上に手間取り、ホバートを発ったのは結局9日になってしまった。幸か不幸か7日以降は天気が悪く、9日も重苦しい雲に包まれていたが、10日からは天気が回復する見込みなので、それに備えて移動することにしたのだ。

  来た当初は、しばらく天気がぐずつくとのことだったので、まずは(天気が安定しているという)東海岸のフレシネ方面を周るつもりであった。ところが8日に予報を確認すると、この先高気圧が張り出し始め、西側では天候が回復してくるが、東側ではまだしばらく悪いという。これでは東に行っても仕方ないので、急遽西側のオーバーランド・トラックを目指すこととし、北の玄関口であるデベンポート(Devonport)に向かった。バスはロンセストン(Launceston)経由で中央部を縦断し、4時間半かけて目的地に到着。さっそくMidcity Backpackersにチェックインした。

  すると、夕方になって雲が薄くなり、時折晴れ間も覗くようになった。オーバーランド・トラックでは、少なくとも初日は晴れの中を歩きたかったので、良い傾向だ。わざわざ天気予報に合わせて来たのだから、必ずや晴れてくれると信じよう。

  そして翌朝、起きてみると期待通りの青空が広がっていた。まだ多少雲が残っているものの、これなら十分許容範囲だ。そこでさっそく支度を整え、8時半のバスに乗って一路クレイドル山(Cradle Mountain:1545m)に向かった。

  1時間も走ると、目の前に奇峰が現れた。名称は不明だが、もうクレイドル山-セント・クレア湖国立公園(Cradle Mountain-Lake St Clair National Park)が間近な証拠だ。バスはやがて山道を走るようになり、はるか彼方にはクレイドル山が見える。そこに向けて走っていくと、1時間半ほどでクレイドル山ビジターセンターに到着した。

  ここでシャトルバスに乗り換え、なおも未舗装路を進むと、バスはロニー・クリーク(Ronny Creek)の駐車場で停車してしまった。てっきり先のダブ湖(Dove Lake)まで行くと思っていたが、どうやら終点らしい($9も取っておきながら…)。仕方ないのでここで降り、準備を整えて11時頃より歩き始めた。

  ちなみにオーバーランド・トラックとは、クレイドル山からセント・クレア湖まで、全長81kmを4~7日かけて縦走するコースである。オーストラリアで最も有名なトレッキング・コースとして知られており、年間8,000人ほどが歩くという。私は今回、4~5日で歩くつもりだが、天候の悪化しやすいところだけに、1週間程度は耐えられるだけの食料を準備して臨んだ。

 迫力の岩稜

  しばらくは平坦な草原の中を歩いていくが、10分少々で登りが始めった。それほどきつくはないが、天気が良いだけに体力の消耗が激しい。小さな滝を越えていくと、やがて台地上に出て、大きな岩壁が迫るようになった。ここをさらに進めば、まもなくクレーター・レイク(Crater Lake)にたどり着く。ここまで30分ほどだが、岩壁と湖のコントラストが美しいところなので、しばし休憩していく。

Crater Lake
クレーター・レイク

  湖岸に沿って歩き出すと再び登りとなり、10分ほどで分岐に到達。ここからはダブ湖やリラ湖(Lake Lilla)が見渡せて景色が良いが、やたらとしゃべりまくっているドイツ人のおば様がいるので早々に退散し、先へと急いだ。

Lake Lilla and Dove Lake
リラ湖 (左) とダブ湖 (右)

  この先は岩壁をほぼ直登するので、少々しんどい。しかし岩場を登りつめていくと、徐々にクレーター・レイクの全貌が明らかになり、クレイドル・バレー(Cradle Valley)の展望も開けてきた。

  この雄大な景色に励まされながら登ると、15分ほどでマリオン展望台(Marions Lookout)に到達。ここで南側の視界も開け、クレイドル山が美しい姿を見せてくれる。ダブ湖越しにはキャンベル山(Mt Campbell)やハンソンズ・ピーク(Hansons Peak)の姿も見える。ここは有名な展望台で、しかも昼時とあって結構な賑わいであった(しかもこの日は3連休の最終日だった)が、せっかくなので昼食がてら景色を楽しむことにした。

View of Crater Lake
クレーター・レイクを見下ろす

View of Cradle Mountain
クレイドル山

Mt Campbell and Hansons Peak
キャンベル山 (左) とハンソンズ・ピーク (右)

  展望台からしばらくは、ほぼ平坦な台地(高層湿原?)上を木道に従って歩いていく。クレイドル山の雄姿も次第に迫り、快適な山歩きだ。先には、アメリカのモニュメント・バレーのようなバーン・ブラフ(Barn Bluff:1559m)も見えている。

  のんびりと30分ほど歩くと、避難用のキッチン・ハット(Kitchen Hut)に到着した。ここまで来ると、クレイドル山の険しい岩稜帯が迫力ある姿を誇示している。この先の分岐から山頂への道が始まるので、分岐に荷物を置いて登ってみることにした。

Cradle Mountain with plateau
クレイドル山と湿地帯

Barn Bluff
バーン・ブラフ

Cradle wall
クレイドル山の主稜部

  登り始めてしばらくすると、早くもダブ湖が眼下に見えるようになった。道は岩稜帯に向けてまっすぐ登るのかと思いきや、途中から右に折れていく。次第に大きな岩が露出した地帯となり、かなり険しい登山になってきた(そのため、途中で断念する人も多いようだ)。

  ここをどうにか乗り越えると、不意にピークに出るが、これは山頂ではなく、道はいったん下ってさらに先へと続いている。この先の登りが最も困難であったが、三脚と水筒を適宜横に預けてこなしていった。

Dove Lake
ダブ湖の全貌

  岩稜の上に出ると、後は岩を転々と歩き、40分ほどで山頂に到達した。こんな険しい道なのに多くの人が登っているのに驚いたが、それ以上に岩稜から覗く展望が素晴らしい。北にはクレイドル・バレーの眺望が開け、東にはロドウェイ湖(Lake Rodway)をはじめとした湖沼群と岩稜が見渡せる。西を望むとリトル・プラトー(Little Plateau)などの台地と渓谷が、そして南に目を転じるとバーン・ブラフやその先の山々が見通せる。眼下には、これから歩くトラックが見て取れる。苦労して登った甲斐のある景色だ。

View of Cradle Valley
クレイドル・バレー方面の眺望

South view from Cradle Mountain
南側のパノラマ

 久々の縦走にて

  山頂からは足元に気をつけながら下り、30分ほどで分岐に戻って再び本道を歩き始める。この先はそれほど起伏のない道が続くが、久々の縦走ゆえ疲れが結構たまってきた。おまけに水がほとんどなくなり、残り2時間の行程に若干の不安を覚えてしまう…

  ともあれ、クレイドル山の岩稜帯を巻きながら歩いていくと、20分ほどで枯れたような森に入り、緩い登りをこなしていく(この辺りはやや道が狭くて歩きにくい)。そして50分ほど歩き、ベンソン・ピーク(Benson Peak)の横まで来たところで残りの水分補給を行い、後はハットまで我慢することにした。

Benson Peak
ベンソン・ピーク

  それからまもなく、ロドウェイ湖トラック(Lake Rodway Track)が合流。さらに15分ほど歩くとバーン・ブラフ・トラック(Barn Bluff Track)との分岐に差しかかるので、ここを左に折れて進んでいく。道はやがて急下降となるが、階段状に良く整備されているので歩きやすい。途中からはバーン・ブラフとともにウォーターフォール・バレー(Waterfall Valley)が見渡せるようになり、ウォーターフォール・バレー・ハット(Waterfall Valley Hut)も視界に入ってきた。

  ほぼ下り終えたところで分岐が登場し、まもなくハットに到着。既に6時になっていたので、小屋の周りには多くのテントが設営されている。当然ハット内は満員だと思ったが、意外にもまだ何人分も空きがあった。テントは担いでいたが、広げるのが面倒なので、今日は小屋泊まりとした。

  幸いにもハットには水が十分にあり、ここで水を確保してから夕食の支度を始めた。バーン・ブラフを正面に見ながら1人で食事をしていると、すぐ横にワラビーが登場し、なかなか面白い動きをしてくれる。夕方前からだいぶ雲が増えてきたので夕陽は拝めなかったが、なかなか充実した初日であった。

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