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旅行記:アルプス(世界自然旅)

64.大展望は続く (2004/7/26:曇時々晴

 格好の展望尾根

 昨日天気が良かったので、もしかしたらモン・ブランの朝焼けが見られるかも…と思い、この日は夜明け前に起床。さっそく外を覗いてみると、若干の雲があるものの、おおむね晴れているようだ。

  そこで小高い台地に上がり、陽が差すのを待つが、風が結構冷たいので岩陰で待機。するとまもなく、女王が化粧を始め、頂きが赤らみ出した。まだ皆が眠りにつく間に見せる一瞬の芸術…これは早起きした甲斐があった(ちなみに、グランド・ジョラスにはほとんど光が当たらなかった)。

Sunrise Mont Blanc
モン・ブランの朝焼け

 食事を終えたら、さっそく歩き始める。が、ほぼ全員同時スタートとなったので、前方は結構混雑している。この集団に取り込まれるのは苦痛なので、スパート開始。急斜面を駆け上がり、ヨーロッパのトレッカーをごぼう抜きして、瞬く間に先頭に立った。

 その後もしばらくペースを落とさず登っていくと、やがてサックス山(Mont de la Saxe)の稜線上に出て、平坦な道になった。この辺りからはフェレの谷越しに、モン・ブランからグランド・ジョラス南面に至る山群が一望のもと。なぜか日本のガイドブックには紹介されていないが、素晴らしい眺望が広がっている。モン・ブランもそうだが、グランド・ジョラスもまた、南面から見るとまるで違った山に見える。この変化を楽しめるのがTMBの良いところだ。

 この先も尾根上の楽な道が続くが、不意に前方に、未確認物体が現れた。良く見ると牛で、3頭がノロノロと歩いてくる。いったいどこから来たのだろう…心配をよそに、彼らはトレイルを下に向かって歩いていった。

  ここで休憩を取ると、しばらくして大杉さんが登場(5番手ぐらい)。すると、後ろから牛が追ってくる。大丈夫か?と思って見ていると、幸い牛は道を反れて谷に向かって下っていった。やれやれ…

Grandes Jorasses with cow
グランド・ジョラスに牛

 ここからは一旦下った後、再びの登りになってトロンシュの頭(Tête de la Tronche:2584m)に道が続いている。ここを着実に登っていくと、頂上手前から大展望が広がり、グランド・ジョラスを主役に、イタリア側のモンブラン山群が手に取るように見えてきた。足元には後続の人たちがアリのように見え、抜群の展望だ。これを逃す手はないので、山頂に着いたら荷物を置き、大休止モードに突入した。

Grandes Jorasses from Tête de la Tronche
グランド・ジョラス南面 (トロンシュの頭より)

 アップダウンをこなすと

 しばらく山頂で1人のんびり過ごしていたが、次第に喧騒に巻き込まれるようになったので、大杉さんに続いて下り始めることにする。この先はかなり急な斜面で、先立ったグループの1人は怖がって前に進めない(へっぴり腰状態)。それを尻目に颯爽と駆け下りてゆくと、まもなくサピンのコル(Col Sapin:2435m)に到着。ここを左折してさらに下り、沢まで降り立ったら再びの登りとなった。

  この辺りのアップダウンは楽ではないが、昨日に比べればずっとマシ。花咲く斜面を上がっていくと、背後からはモン・ブランが再登場し、やがて右に岩場を持つパス・アントル・ドゥ・ソ(Pas entre deux Sauts:2521m)という峠に到達。手前の山に隠れてグランド・ジョラスは見えないが、モン・ブランが綺麗な姿を見せている。ここまで来ればもう、今日は楽々なので、まもなく登ってきた大杉さんともども、ここでのんびりと休憩を取った。

Mont Blanc from Pas entre deux Sauts
モン・ブラン再登場

 ここからは緩やかな下りとなり、やがて沢に沿って、牧歌的な雰囲気のマラトラ谷(Vallon de Malatra)を歩くようになる。この辺りからは日帰りのハイカーも多くなってきたが、日本のガイドブックには紹介されていないので、日本人はいるはずがない。花も多くて、のんびり歩くには良いところだと思うが…

Vallon de Malatra
氷河を前にマラトラ谷をゆく

  正面に氷河を見ながら下っていくと、次第に勾配が急になり、どんどん標高を落としていく。やがて右手に小屋が見えてくるが、あれは目指す山小屋ではないらしい。さらに下っていくと、もうすぐフェレの谷底が見えようかというところで、立派な建物が現れた。どうやらあれが本日の宿、ボナッティ小屋(Rifugio Bonatti)のようだ。

 まるで山岳ホテル!

 この山小屋は、途中で会ったイギリス人が「最高の山小屋だ」と絶賛していたし、ロンプラにも"The food here is great and the modern facilities, although somewhat clinical, provide great comfort."と書かれていたので、非常に楽しみにしていた。

  で、さっそく中に入ってみると…まるで山岳ホテルのような、驚くほど立派な作りだ。トイレもシャワーもベッドも綺麗で、文句のつけようがない。ロケーションにしても、眼前にグランド・ジョラスが迫り、左手にはフェレの谷とモン・ブランを一望することができる。後から来た大杉さんも驚いていたが、これは間違いなくTMB最高の山小屋だろう(でも、最近できたのか、日本のガイドブックでは全く触れられていない)。

 そして、お楽しみの夕食。これも期待を裏切ることなく、まるで高級レストラン並みの美食が次々に出てくる。当然のように3コースディナーで、味も最良と言って良い(私は食通ではないが、これは確かに美味しい)。他の宿泊客も皆大満足のようで、話が弾んでいるように見える。それでも、今日泊まっているのは十数人程度。きっともう少ししたら知名度が上がって、エリザベッタ小屋以上の混雑になるのかもしれないが、今はまだ静かで快適。至福の時を味わったら、後は横になれば十分だった。

Rifugio Bonatti
ボナッティ小屋

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