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旅行記:アルプス(世界自然旅)

57.せっかくの好天も… (2004/7/17:晴後曇一時雨

 押し合い圧し合い

 マルティニを発ち、始発列車に乗って目指すはシャモニ(Chamonix)。かの有名なアルプス最高峰、モン・ブランを擁するフランス有数のリゾート地である。列車は早朝にもかかわらず結構混んでいて、通路の補助席に座らざるを得なかったが、この程度なら問題ない。そして、快晴の中急勾配を登っていくと、次第に谷の景観が開け、前方には白雪をいただく山々が見えてくる。やがて国境の駅に到着すると、パスポート・チェックでもあるかと思ったら何もなく、数分後にあっさりと発車した。これでフランス入りだ。

 谷を下るようになるとまもなく、右手にモン・ブラン山群が垣間見られるようになってきた。「大したことない」なんて聞いていたが、思ったほど悪くない。だが、列車は徐々に混み出し、アルジェンチェール(Argentière)まで来るともう、日本のラッシュ顔負けの混みようだ。

  私が涼しい顔で座っていると、中年のおじさんが「立て!」とジェスチャーで示し、訳もわからず立たされたところで、彼ら夫婦がそこに座った。いったい何なんだ…旅行者は座ってはいけないのか、それとも日本人が座っているのが気に入らないのか。とにかく、その後は押し合い圧し合いの車内で耐え忍び、シャモニに着いたら揉みくちゃになりながら外に出て、この地獄から脱出した。

 シャモニは確かに一大リゾート地で、小奇麗なお店が多数並んでいる。幸いと言うべきか、グリンデルワルトやツェルマットと比べると日本人は少ないようだ(スイスが異常なのだが)。ここからはモン・ブランもくっきり見えて、「アルプスの女王」らしい美しい山容を見せてくれている。そこで、まずは観光案内所に出向いて情報収集し、この好天を生かすべく、足早に宿に向かうことにした。

Mont Blanc and Glacier des Bossons from Chamonix
シャモニから望むモン・ブラン (中央奥) とボソン氷河

 堺の人

 宿は以前からYHAを予約(当初は4泊だったが、天候が安定しないのでさらに2泊追加)していたが、地図で見ると、これが結構遠い…バスがあるらしいが仕組みがよくわかっていないので、ひとまず歩いて向かった。

  が、宿は坂の上にあるので、バックパックを背負って歩くにはシンドイ。久々に汗をダラダラかきながら、ちょうど12時頃に宿に到着。さっそくチェックイン…しようと思ったら、「午後5時からでないと受け付けない」と言って、受付は昼休みに入ってしまった。なんて融通がきかないのだろう…せっかくの好天を生かして、早く出歩きたいというのに。

  ちょっと怒り気味に困惑していると、たまたま日本人らしき中年男性が現れた。聞けば大阪の堺から来ている貞包さんという方で、今日は夕方から山に登るので、ゆっくりしていたところだという。堺の商人らしく(?)、物腰の柔らかい人だ。こちらの事情を話すと、階下にロッカーがあるのでそれを使うと良いと教えてくれたので、荷物はそちらに預けて、さっそく出かけることにした。

 昼過ぎになっても、今日は珍しく雲が少ない。だが、この時間から行ける所は限られている…ので、すぐ目の前に見えているボソン氷河(Glacier des Bossons)の末端に向かうことにした。

 ボソン氷河はすぐ近くに見えるが、氷河入口に向かうには、いったん坂を下りて、しばらく平地を歩いた後再び坂を上らなければならない(近道がない)。迂回しながら進んでいくと、あろうことか徐々に雲が増えてきてしまった。せっかくの好天だったのに…ここからは急ぎ足で道路沿いを歩き、ボソン(Les Bossons)の街から氷河に向かって登り、なんとかリフト乗り場に到着。あまり観光客はいないが、ここを上がれば氷河が間近に見られるので、さっそくこの旧式のリフトに飛び乗った。

View of Chamonix
シャモニを遠望

Glacier des Bossons
ボソン氷河

 雷雲迫る

 リフトはゆっくりと高度を上げ、次第に氷河に迫っていく。10分あまりで山頂駅に着くと、そこから少し登ったところにレストランあり。ロンプラ情報によると、ここからさらに尾根を上がると素晴らしい展望が得られるらしいが、今回はとてもそんな時間はないので、とりあえず手近な展望台を目指し、レストランの先の小道を入っていった。

 道はすぐに分岐となるが、ここを右に進んで斜面を登っていく。道沿いには氷河の成り立ちや前進後退の様子などが写真付で示されていて、フランス語がわからなくても楽しめる内容だ。するとまもなく、木の柵でできた展望台に到達。目の前には荒々しいボソン氷河が迫り、時折小石が転がり落ちている。頭上にはエギュイーユ・デュ・ミディ(Aiguille du Midi:3842m)が聳え、なかなかの迫力だ。

 ここでしばらく氷河を堪能していると、最初は1人だけだったが、徐々に人が増えてきたので退散。レストランに戻り(先ほどの分岐から低い展望台にも行ってみたが、こちらは迫力に欠ける)、帰路につくことにした。

 ここからはリフトで降りても良かったが、それではつまらないので、歩いて下ることにする。この辺りは家族連れなどにも人気のお手軽コースで、花を眺めながらのんびり下ることができる。特にこの時期はヤナギランが各所に群生していて、目を楽しませてくれる。道はほどなくして森に入り、つづら折の道を下っていくが、気がつけば随分と雲が増え、すっかり曇天になっていた。

  そして、リフト乗り場まで降りた頃には怪しげな雷雲が迫ってきて、かなり不穏な雰囲気だ…間髪入れず宿に戻るが、いよいよ天候は悪化してきて、宿の手前で雷雨になってしまった。これではどうしようもないので雨宿り。ほとぼりが冷めるのを待って、5時前に宿に戻ったのであった。

 受付ではチェックインを待ちかねた人たちが多数たむろしていて、この先が思いやられる。5時になると受付が開き、手続きが始まるが、担当の人が非常にゆっくりと仕事をこなすものだから、なかなか進まない(私は幸い2人目だったので早めに終わったが、十数人の手続きを終えるのに1時間半かかっていた)。スイスのYHAがどれも立派でちゃんとしていただけに、お国柄の違いを感じずにはいられない。

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