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旅行記:アルプス(世界自然旅)

54.我慢の末に (2004/7/14:晴

Matterhorn from Zermatt
ツェルマットより

 今日こそ晴天!

 ついにツェルマット滞在7日目を迎えたが、予報では久々に晴れることになっている。今日こそ晴天だぁ!と期待に胸を膨らませて早起きしてみると、空は一面雲に覆われていて、マッターホルンの朝焼けなど見えそうにない。いったいどうなっているんだか…仕方がないので旅行記を書くなどして夜明けを待った。

 しばらくして外を覗いてみると、いつの間にか青空が覗き、マッターホルンが綺麗に見えているではないか! この急変は嬉しいのだが、不覚にも朝焼けを見逃してしまったらしい…ともあれやっと晴れてくれたので、慌しく出発の準備を整えた。

 こんな日のゴルナーグラートは大混雑が予想される(何しろ、10日ぶりにマッターホルンが綺麗に見えている)ので、朝食前の始発列車に乗ることにする。今日は、昨日同室になった日本人と一緒に歩くことになったので2人して乗車。列車は2両編成で混んでいたが、首尾よく座席を確保し、まもなく出発となった。

 列車はぐんぐん高度を上げ、ほどなくして大展望の中をゆくようになる。これが実に素晴らしい景観で、乗客は皆この絶景に釘付けだ。右手にはずっとマッターホルンの雄姿が見られ、後ろ手には美峰・ヴァイスホルン(Weisshorn:4505m)の姿もある。まさに文句のつけようのない展開に、1週間我慢して待った甲斐があったと実感した。

 乗客のうち、欧米人の多くは途中下車してハイキングに出かけていった(彼らは登るのが好きなようだ)。最後はほぼ日本人だけになってゴルナーグラートに到着し、皆一斉に展望台へ登っていく。目の前にはブライトホルン(Breithorn:4164m)、リスカム、モンテ・ローザなどの氷河峰が連なり、足元にはゴルナー氷河(Gornergletscher)が流れている。もちろん、右手にはマッターホルンの東壁が望め、後ろにはヴァイスホルンが大きい。何という絶景! おまけにシュタインボックが塩を舐めに来て、可愛らしい姿を見せてくれる。さすがにアルプスを代表する展望台だけあって、実に素晴らしい!

View of Gornergrat
リスカムからブライトホルンにかけて

Weisshorn
ヴァイスホルン

Matterhorn from Gornergrat
マッターホルンもこの通り

Steinbock at Gornergrat
シュタインボックも登場

 逆さ三昧

 ひとしきり大展望を満喫したら、さっそく下り始めることにした。というのも、2番列車が到着した途端、大混雑になるのは必至だからだ。

 まだ誰もいない中、マッターホルンを正面に見ながら歩いていくが、これが実に気持ち良い。途中で寄り道して、ゴルナー氷河を真下に望んだりしつつ下ると、湖が見えたところで2番列車がやって来た。かなりの乗客が乗っていたが、幸い手前のローテンボーデン(Rotenboden)駅ではあまり降りなかったようだ。安堵してさらに下っていくと、まもなく「逆さマッターホルン」で有名なリッフェルゼー(Riffelsee)に到着。ラッキーなことに、綺麗に反射しているではないか! なぜか欧米人ハイカーは気にも止めず歩いていったが、ここは絶好の休憩ポイント。まだ人気も少ない中、心ゆくまでこの絶景を眺めることにした。

View of Monte Rosa
モンテ・ローザ (左) を振り返る

Matterhorn with train
マッターホルンを正面に下る

Matterhorn from Riffelsee
逆さマッターホルン

 しばらく休んでいると、いつの間にか、周りには多くの日本人が詰めかけていた。すると風が吹き出し、逆さ具合も不鮮明になってきたので撤収を決意し、さらに先の湖に急ぐ。と言うのも、この先の方が風の影響を受けにくく、「逆さ」を見やすいと書かれていたからだ。

  案の定、次の湖に着くとまだ綺麗に反射しており、おまけにここは石の配置が日本庭園のごとく絶妙。隣りのダン・ブランシュ(Dent Blanche:4357m)も一緒に撮れるとあって、最初の湖以上に美しいと言っても良い。徐々に下から雲が上がってきたが、まだまだ美しい世界が広がっているので、ここでもまた休憩を取って、じっくりとこの自然美を味わった。

Matterhorn from Lower Riffelsee
下の湖より

Matterhorn and Dent Blanche from Riffelsee
マッターホルン (左) とダン・ブランシュ (右) の逆さ2ショット

 やがてこちらも風の影響を受け始め、先ほどの人たちも集まり始めたので退散。湖岸に沿って歩いていくと、前方にマーモットが現れたので、その様子を見にいく。彼らは野生ゆえすぐに隠れてしまったが、余興としてはこれで十分だろう。

  そこから緩やかに下りにかかり、のんびり歩いていくとまもなく、前方にリッフェルベルグ(Riffelberg)が見えてきた。しまった…予定では先のリッフェルアルプ(Riffelalp)に向かうはずだったが、マーモットに気を取られて違う道を来てしまったようだ。仕方ないのでリッフェルベルグの手前から谷に向かう道を探して修正し、一路リッフェルアルプに向けて下っていく。この辺りの展望も抜群で、左手にマッターホルンが終始見え、しばらくするとマッタータールの眺望が眼下に展開するようになる。まだ誰もいない中、急な下りをこなすとリッフェルアルプの駅が近づき、まもなくこの中間駅に到着した。

View of Mattertal
マッタータールの眺望

 ここで一旦休憩を取ったら、今度はスネガまで、いくつかの山上湖を訪ねながら歩くことにした。

 湖とマッターホルン

 リッフェルアルプからはマッターホルンに背を向け、対岸にスネガを見ながら緩やかに下っていくが、ここで日本人のおじさんが登場。颯爽と駆け抜けていったと思ったら、いきなり道を間違えてくれる。それにつられて我々も道を間違えてしまったがすぐに修正。やがて分岐に差しかかり、ほどなくして第1の湖、グリュンゼー(Grüensee)に到達した。ここからはマッターホルンが少ししか見えないが、逆側にはフィンデル氷河(Findelgletscher)とリンプフィッシュホルン(Rimpfischhorn:4199m)、スタールホルン(Strahlhorn:4190m)の姿がはっきりと見て取れる。湖畔にはくつろぐハイカーの姿も多く、のんびりとした雰囲気であった。

Grüensee
グリュンゼー

Rimpfischhorn and Strahlhorn
フィンデル氷河とリンプフィッシュホルン (左) &スタールホルン (右)

 ここで一休みしたら、フィンデル氷河末端に向かって下る。川を渡り、モレーンを周り込むように歩いていくが、良く見るとモレーン上には自転車隊が陣取っている。彼らは急なモレーンの斜面を下って楽しんでいるようだが、素人目には危なくて真似できない。

  ここから幅広の道を歩くとまもなく、第2の湖、グリンジゼー(Grindjisee)が現れた。運が良ければここでも逆さマッターホルンが眺められるのだが、あいにく風で湖面には映っていない。残念…と思っていると、願いが通じたのか、不意に風が止んで、まもなく湖面に「逆さ」が映るようになった。これで「逆さ」は3つ目。何という幸運だろう!

Grindjisee
グリンジゼー

Matterhorn with Mosjesee
大展望の中をゆく

  再びの逆さを堪能したところで、第3の湖、ライゼー(Leisee)を目指して登りにかかる。この辺りは登りが続いてややきついが、展望が素晴らしいので帳消しにしてくれる。やがてライゼーに到着すると、ここはスネガから近いだけあって、家族連れなどで大いに賑わっていた。これまでの光景と比べると見劣りしてしまうので、少し休んだらスネガに向かい、ここで遅い昼食を取ることにする。

 スネガからのマッターホルンは最も美しいとの評判通り、端整の取れた姿を見せてくれる。ここで食事をしながらじっくり鑑賞させてもらい、美人の晴れ姿をこの目に焼き付けたのであった。

 さて、ここからは下るだけなので、ケーブルカーを利用しても良いのだが、この先を下る道にエーデルワイスが見られるとの情報を耳にしたので、半信半疑ながら、おまけで歩いてみることにした。エッケン(Eggen)、フィンデルン(Findeln)の集落を通りながら下っていくが、この辺りも正面にマッターホルンが終始見えて、実に快適な道のりだ。道はやがて樹林帯に入り展望がきかなくなるが、肝心のエーデルワイスは見つけられない。まぁ、こんな標高の低いところで見られるとも思っていなかったが…

 ともあれ、こうして急斜面をジグザグに下ってヴィンケルマッテンに到着。実に中身の濃い1日となった。1週間待ち焦がれた光景にようやく出会えて大満足。お祝い(?)にチーズフォンドゥも食べて、思い出深い1日は終わった。

Leisee
ライゼー

Matterhorn from Sunnegga
スネガからのマッターホルン

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