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旅行記:アルプス(世界自然旅)

53.苦肉の氷河巡り (2004/7/11:曇時々晴

 長期戦の様相

 予定では、今日がツェルマット滞在最終日。晴天を期待していたのだが、そんな願いもむなしく、マッターホルンは夜明け前に雲間から姿を見せただけで、すぐに白いベールを纏って消えてしまった。

 5日もあれば1日ぐらい快晴になると踏んでいたが、これは甘い考えだった。今年のヨーロッパは本当に悪天続きで苦戦を強いられているが、マッターホルンも同様、なかなか姿を見せてくれない。せめて1日だけ気持ちよく晴れてくれれば良いのだが、それは贅沢というものなのだろうか…

 本来なら、この後はイタリア側に周り込み、1週間ほどかけてサース・フェー(Saas Fee)まで、ツール・モンテ・ローザ(Tour Monte Rosa)というコースを歩こうと思っていた。しかし、ツェルマットまで来てマッターホルンをろくに見ずに帰ってしまっては意味がない。こうなったら長期戦を覚悟し、さらにツェルマットに4~5泊して、意地でもマッターホルンを見てやることに決めた。

 ということで、この日はマッターホルンの展望は諦め、代わりにサース・フェー方面に足を延ばすことにした。ここはツール・モンテ・ローザの後に訪れるつもりだったが、ツェルマットからでも日帰りは可能だし、スイスパスを持っているので追加の出費はない。苦肉の策に違いはないが、ここの氷河巡りで時間を潰すのが一番と判断したわけである。

 氷河の印象

 サース・フェーはミシャベル山群(Mischabel)と氷河に取り囲まれたリゾート地で、ツェルマットの山向こうに位置している。と言っても山越えはできないので、いったんフィスプ方面に下り、途中でバスに乗り換えなければならない。バスは30分ほどの待ち合わせで現れたが、幸いまだピーク・シーズン前ということで残席があり、問題なく乗車することができた(本来は予約が必要らしい)。

 道はサースタール(Saastal)を遡り、サース・グルント(Saas Grund)から斜面を上がっていく。まもなく前方にミシャベル山群の氷河に囲まれたサース・フェーが現れて感動する…はずだったが、実際に目の当たりにしてみると、思いのほか氷河が後退していて迫力に欠ける。氷河跡に剥き出しになった岩壁が痛々しい。この辺りは期待していただけに、少々残念であった。

 サース・フェーは乗用車の乗り入れを規制しているだけあって、どこかの街のようなクラクションや排ガスはない(そう言えばツェルマットもそうだった)。ここから少し歩いてテレキャビン乗り場にやって来ると、運悪く日本人ツアー客の方々と鉢合わせ。大変賑々しい状態に陥ってしまった…

 まずはシュピールボーデン(Spielboden)までキャビンに乗り、ここでロープウェイに乗り換えてレンクフルー(Längflue)に向かう。ロープウェイは当然喧騒の渦で、独り者には居場所のない状態だ。ここからは荒々しいフェー氷河(Feegletscher)が望めるが、曇っていてイマイチ…なのだが、ツアー客の方々は大騒ぎ(皆大感動の渦に包まれているらしい…)。何だか埋め難いギャップを感じながら、ロープウェイはレンクフルーに到着。すると我先にと展望台に出て、すごい騒ぎになっている。これは適わないので、1人先に氷河上流に出向いて荒々しいクレバスを覗き、ほとぼりが冷めたところで展望台に戻って、フェー氷河の全景を眺めたのであった。

Clevas of Feegletscher
荒々しい氷河の姿

Feegletscher
フェー氷河を望む

 氷河、動物、花

 この辺りはまだ完全に雪に覆われていて、この先のトレイルがどこから始まっているのかよくわからない。そこで足跡をたどって何となく歩いていくと、少し先でトレイルらしき道を発見したので、残雪に注意しながら急な下りを歩いていく。先ほどまでの喧騒とは一転、誰も歩いていなくて実に静かだ。

 左に氷河を眺めながら下っていくと、やがて尾根を周り込み、ロープウェイやサース・フェーの街並みが見えるようになってきた。ここからは雪もなく、気がつけばもうシュピールボーデンはもう目の前。実にあっけなくて驚いたが、1時間足らずで氷河帯から抜け出してしまった。

 シュピールボーデンからは緩やかな道をさらに下るが、ここには餌付けされたマーモットがいるので、家族連れが穴の中を覗いている。ちょうど昼時なのでマーモットもお休み中…と思ったら、しばらくして姿を見せてきた。マーモット自体はもう何度も見ているので感動しないが、子供はナキウサギみたいで可愛い。4匹がじゃれ合っている姿は初めて見たので、これはこれで面白いものであった。

 ここからは粛々と下っていくが、この辺りはちょうど花盛りのようで、アルペンローゼ(Alpenrose)をはじめ、様々な花が道端に咲き誇っている。後半になるとただの野原になってしまって興ざめだったが、それなりに楽しむことができたと言えよう。

View of Saas Fee
サース・フェーへ下る

Marmot
マーモットの子供

Alpenrose
アルペンローゼも咲いていた

 こうしてサース・フェーの街に戻り、3時過ぎのバスに乗って夕方にはツェルマットに帰着。YHAでの最後の晩餐を食して、滞在4日目を終えた。

 そして翌朝、YHAをチェックアウトし、経費節減のためMatterhorn Hostelに移籍するが、YHAが結構立派だっただけに、設備の点では見劣りして仕方がない。おまけに天気も、12日、13日と全く冴えず、マッターホルンはまるで姿を見せてくれない…いったいどうなってしまうのか、本当にマッターホルンを眺めながらハイキングができるのか、残り日数も少なくなり、いよいよ不安になってきた。

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