検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記ヨーロッパ>アルプス
スイスの国旗

旅行記:アルプス(世界自然旅)

46.いきなりハイライト (2004/6/30:晴時々曇

Reichenbachfälle
ライヒェンバッハ滝

 天気が良いので

 昨夕着いた段階では雲が多かったので期待していなかったが、朝になると雲一つない快晴! こうなったら早めにグリンデルワルトに行かないともったいないので、朝食を早めに片付けたら、さっさと宿を後にした。

 とは言っても、マイリンゲンに来たからには寄らねばならない場所がある。それはライヒェンバッハ滝(Reichenbachfälle)。こここそホームズが宿敵モリアティ教授と揉み合って滝に転落し、命を落とした場所だ(後に復活するのだが…)。そこでさっそく滝に向かうケーブルカー乗り場に向かうと、あいにく9時からの運行なのでしばし待機。そして8時50分になったところで職員が現れ、1人だけ特別に1本早く乗せてもらった。

 5分ほど上がると、目の前に勇壮な滝が現れた。落差は100mほどと、規模こそ大したことないものの、水量と迫力は大したもの。しかもご丁寧にホームズの顔抜け看板を設置して、写真を撮れるようにしている。それにしても、この水量では生きて帰れないと思うのだが、いったいどうしてホームズは復活できたのだろう(確か日本の柔術を使ってどうこう、と書かれていた気はするが)…

 しかし、ここで悠長に時間を過ごしているほど余裕はないのだ、ワトソン君。ここから滝の上に登り、その先のバス停からグリンデルワルト方面に向かうバスに乗らなければならない。バスは9時半に出てしまうので急ぎ出発し、駆け足で急登をこなしていく。職員の人は「もう間に合わない」と言っていたが、ここで健脚ぶりを発揮して、5分あまりで滝の真上に到達。マイリンゲンの街並みを俯瞰したら再び坂を上がり、バス停には10分ほどで着くことができた(暑いので汗が出てくる)。

 道はかなり狭く、本当にバスが来るのかと疑ってしまうが、10分ほどすると下から警笛が聞こえ始め、ほどなくバスが現れた。車内は結構混んでいたが首尾良く着席し、左手にアルプスの山を見ながらつづら折の道を上っていく。この辺りでも氷河が見られ、なかなかの眺望だ。そして、シュヴァルツヴァルトアルプ(Schwarzwaldalp)で乗り換え、左手にヴェッターホルン(Wetterhorn:3701m)を見ながらさらに上がると、グローセ・シャイデック(Grosse Scheidegg)の峠に到達。ここでついにグリンデルワルトの街、そして有名なアイガー(Eigar:3970m)とご対面となった。

Glacier near Meiringen
氷河が見えてくる

Wetterhorn from Schwarzwaldalp
ヴェッターホルン (シュヴァルツヴァルトアルプより)

View from Grosse Scheidegg
グローセ・シャイデックからの眺望 (右がアイガー)

 ラッシュを抜けて

 さすがに有名な展望地だけあって、結構な混雑ぶり…なので、さっそく歩き始めることにする。しばらくは両側に展望が広がり、マイリンゲン側、グリンデルワルト側ともに美しい景観を望むことができる。バスが到着してまもないのか、行く手にはかなりの人の姿が見えるが、それを徐々に追い越しながら歩いていくと分岐着。ここで上側の細い道を選び、展望を楽しみながら歩いていった。

 ここからはシュヴァルツホルン(Schwarzhorn:2928m)の山懐を歩くようになるが、道はごく緩やかなうえ、左手の展望が素晴らしいので、楽々進むことができる。なかには、この辺りでシートを広げてのんびり佇む人の姿もある。白雪の山々に牧草地の広がる風景…これぞアルプスといったところだろうか。

Wetterhorn and Schreckhorn
ヴェッターホルン (左) とシュレックホルン (右)

 沢を越え、淡々と歩いていくと、まもなく前方に大集団が見えてきた。数にして20人、あの一糸乱れぬ隊列はひょっとして…と思いながら近づいていくと、案の定、日本人の団体ツアー客だ(しかも中高年の人ばかり)。その先にも30名ばかりの集団がおり、この先が思いやられる展開になってきた。この細い道で抜き去るのは困難なので、少しペースを落として歩き、彼らが休んだところで抜くより仕方がない。恐れていたことではあったが、さっそくの喧騒に少々盛り下がってしまったのは事実である。

 最初の一団はちょうど休憩中だったので問題ないが、次の集団は休む気配がなく、しかも数名が撮影に夢中でペースが遅い…そうこうするうちに両集団に挟み撃ちにあってしまい、どうにもならなくなってしまった。周辺にはお花畑が広がり、山々の景観も少しずつ変わっているというのに、このラッシュ状態では自由に動きが取れない。困った…と思ったところで、前方の集団が休憩を取った。これはチャンス!とばかりに歩を進めるが、その集団が道を占拠していて前に進めない…しばらく困っていると、ガイドが気づいて道を開けてくれたので、ようやくこのラッシュから抜け出すことができた。

 まもなく前方にフィルスト(First)が見えてきたが、こここそテレキャビンで気軽に上がれる展望台で、しかもお昼時とあって大勢の人で賑わっている。ここからはバッハアルプゼー(Bachalpsee)に向かうが、このコースは最もポピュラーなので、大変な賑わいだ。まさに「ハイキング銀座」。日本人はもちろん、外国の人も多数歩いている。もう喧騒は避けられないと、諦めながら登っていった。

View from First
フィルスト上部からの眺め

 すると、しばらくで好展望地が出現した。ヴェッターホルンからシュレックホルン(Schreckhorn:4078m)、フィッシャーホルン(Fiescherhorn:4049m)、アイガーまで一望できるではないか。人も少なかったので思わず小休止すると、残念なことに、ほどなくして追っ手も次々休み始め、たちまち騒々しくなってしまった。たまらず歩行を再開する。

  ごく緩やかな幅広道を進んでいくと、やがて大勢の人たちが憩う場所が現れた。そう、ここが有名な山上湖、バッハアルプゼー。シュレックホルンや山域最高峰のフィンスターアールホルン(Finsteraarhorn:4274m)が望め、確かに良い場所だが、いかんせん人が多過ぎる…お腹が空いたので軽食を口にするものの、これではじっくりと展望を味わう気になれないので、空腹を満たしたら直ちに移動を開始した。

View from Bachalpsee
バッハアルプゼーより

 三山抜群

 この先、ファウルホルン(Faulhorn:2681m)まではまだ雪が多く、急な登りになるので足を延ばす人は減る。湖岸を過ぎ、登り始めて振り返ると、湖越しにヴェッターホルン、シュレックホルン、フィンスターアールホルンの三山が抜群の展望を見せてくれているではないか。湖岸からよりもずっと良いが、大多数の人はそれを知らずに帰ってしまうのだろう。わずか数分の距離なのに、もったいない話だ。

Bachalpsee
バッハアルプゼー越しの絶景

 道はやがて雪だらけになり、雪を踏みしめながら登ることになる。気がつけば前方に20名ばかりの集団(日本人の中高年ツアー客)が見えるが、私が追いつこうとするところで歩行を再開したため、渋滞の最後尾に付く羽目となってしまった。これは適わないので、雪渓を抜けた登りでごぼう抜き。一気に集団から抜け出し、そのままの勢いで急登をこなしていく。息を切らせながらコルまで登ると、そこからはしばらく緩くなり、最後は頂上へ再びの急登となった。それでも、振り返ればアイガー、メンヒ(Mönch:4099m)、ユングフラウ(Jungfrau:4158m)のベルナー・オーバーラント三山が一望のもとになり、登ってきた甲斐があったと思わせてくれる景観だ。

View from Faulhorn
ファウルホルンからのアイガー、メンヒ、ユングフラウ

 頂上には山小屋があり、せっかくなのでここで軽食を取ることにした。さっそく小屋に入ると、外で待っていてくれと言うので待機。だが一向に現れる気配はなく、その間に先ほどの集団がどんどん近づいてくる…間近に迫ったところでようやく店員が登場したが、注文が済んだら大賑わいになってしまった。頂上まで来たのがよほど嬉しいのか、「富士山が見えそう」とか「やったーホルンだ!」などと訳のわからないことを言っている。周囲の冷ややかな視線がわからないのだろうか…

 食事を終えたら、一旦山頂まで上がってブリエンツ湖(Brienzersee)を見下ろし下山開始。分岐で右折して、シーニゲ・プラッテ(Schynige Platte)を目指す。既に3時半を回り、徐々に時間の余裕がなくなってきた。しかもこの先、しばらく展望の良い尾根道なのだが、まだ一面銀世界となっているので時間がかかりそうだ。

 左手に三山、右手にブリエンツ湖を見ながら雪の尾根を歩いていくと、ほどなくして岩山の脇を進むようになり、三山の展望がきかなくなってしまった。下ったところでヴェーバー小屋(Weberhütte)が登場。しかし時間がないので素通りし、反転して尾根の先端からまた折り返してゼーギスタール(Sägistal)とゼーギスタール湖(Sägistalsee)を右手に見ながら下っていく。そして、羊たちの楽園を過ぎると再び三山の展望が広がり、雪道からもようやく解放された。

Sheep at Egg
羊の群れが遊ぶ

View from Egg
白雪の山群がまた見えてきた

Schynige view
三山再登場

 ラウシャーホルン(Loucherhorn:2230m)を巻くように歩いていくと、ついに前方にシーニゲ・プラッテが見えてきた。終電まではまだ1時間近くあるので、どうやら大丈夫そうだ。安心して三山の展望を楽しみ、さらに逆の尾根に上がるとブリエンツ湖が美しい姿をさらけ出している。トゥーン湖(Thunersee)は逆光で、残念ながらあまり綺麗に望めないが、ブリエンツ湖は実に見事。多少の時間の余裕ができたので、ここからはパノラマコースに入り、稜線から湖と三山の贅沢な眺めを堪能した。

Brienzersee
ブリエンツ湖

View from Schynige Platte
シーニゲ・プラッテより

 終電前の駅は結構混雑していたが、幸い席を確保し、かわいらしい登山電車で一気に街まで駆け下りていく。終点のヴィルダースヴィル(Wilderswil)到着直前にグリンデルワルト行が出てしまったので1時間近く待たされたが、こうして8時過ぎ、無事グリンデルワルト着。送っておいた荷物を受け取り、丘の上のYHAまで歩いて登って、いきなりのハイライトとなった長い長い1日を終えた。

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.