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旅行記:アルプス(世界自然旅)

45.名前負け? (2004/6/29:曇後晴

 氷河特急は…

 ベルニナを後に、次に向かうはアルプス有数の観光地、グリンデルワルト(Grindelwald)。ただ、途中で寄りたいところがあるので、ライゼゲペック(Reisegepäck)で荷物を先に送ることにして、身軽になったらまずサンモリッツに向かった。

 サンモリッツからは有名な氷河特急(Glacier Express)に乗るが、これがひどい混雑…しかも大部分が日本人ツアー客で、てんやわんやの大騒ぎ、驚きを通り越してあっけに取られてしまった。

  席は2等を確保しておいたが、目的の車両は随分先で、想像以上に長い車列に驚かされる。席にたどり着くと、隣りは日本人のご夫婦だったが、ツアー客ではなく、個人旅行で来ているという。日本人の多さには辟易していたが、こういう出会いは悪くないものだ。

 そうこうするうちに列車は静かに出発し、のどかな景色の中を走り出した。隣りのご夫婦と旅のことや世間話をしながら過ごすが、思いのほか他愛のない景色が続く。やがてカーブが多くなり、何度かループを描きながら下降。そして、1時間ほど経ったところで列車はスピードを落とし、有名な石橋、ランドヴァッサー橋(Landwasserviadukt)を渡る…が、これも一瞬で、進行方向右側に座っていたこともあって、写真を撮る暇さえ与えてもらえなかった(やはり初めての乗車で、移動しながら撮るのは難しい)。

 と、ここで早くも昼食タイム(これは予約制で、10時45分からの始まり)となり、ご夫婦が食事に出かけたので、しばし1人で車窓を鑑賞する。やがて、列車はライヒェナウ(Reichenau)駅に到着し、進行方向を変えて西に向かい始めた。しばらくするとライン川の地溝帯に入り、ちょっとした渓谷を進むが、ここもそれほど感動的ではない。この列車はスイス観光の目玉で、旅行会社等はこの列車がいかに素晴らしいかを力説している。そのせいか、他の日本人旅行者は子供のようにはしゃいでいるが、個人的にはどうも腑に落ちないまま時間が過ぎていった。

 いきなりの大展望

 例のご夫婦が戻ってきてしばらくすると、列車はディセンティス(Disentis)に到着。ここで随分停車したなと思ったら、いつの間にか車両がぐっと短くなっていた。ここからは急勾配を登るようになり、左側の谷がどんどん下になってくる。ようやく小さな氷河も見え始め(名前の割に氷河は見えない…)、森林限界を越えて景色も開けてきた。この先は少し期待が持てそうな気がしてきた。

 山間を縫って進んでいくと、突然視界が広がり、目の前にオーバーアルプ湖(Oberalpsee)が見えてきた。ここが最高標高点となるオーバーアルプパスヘーエ(Oberalppassshöhe:2033m)で、これを境に列車は下りに差しかかる。目の前には行く手のアルプスの山々があり、素晴らしい景観である。実は途中からもったいないほどの天気になっていたのだが、これならOK、ようやく見所が現れたという感じだ。

Oberalpsee
オーバーアルプ湖

Glacier Express
ここが氷河特急のハイライト

 雪崩止めのトンネルを過ぎると、列車は本格的に下り始めるが、ここからがハイライト。右に左に曲がりながら急勾配を下り、周囲の眺望も抜群で、乗客のほとんどが立ち上がって景色を眺めている。しかも幸運なことに、この周囲のお花畑は今が最盛期。様々な高山植物が数多く咲き誇り、景色に彩りを添えている。目指すアンデルマット(Andermatt)の街ははるか下(峠との標高差は600m)だが、そこに向けてぐんぐん下っていった。

Andermatt overlook
アルプスを見ながら下ってゆく

Flowers at Andermatt
お花畑が最盛期

 こうして2時半過ぎにアンデルマットに到着し、今回はここで下車する(ここまでが氷河特急のハイライト区間とされている)。およそ5時間と、思っていたより大したことなかったが、まぁ最後の一区間に免じて許してあげよう。

 峠を迂回して

 さて、ここからは峠越えのバスに乗ってマイリンゲン(Meiringen)に行こうと思っていたが、このバスは7月3日からの運行とのことで、今回は諦めざるを得ない(日本のガイドブックには6月末からと書いてあったが…)。ここでツアー専用のバスに乗り換えていく人を恨めしく思いながら、仕方なく迂回していく。

 とはいえ、この好天を生かさないのはもったいないので、ちょっと寄り道して、悪魔の橋(Teufelsbrücke)経由でゲッシェネン(Göschenen)まで、逆風と闘いながら歩いていく。すると、スイス軍の駐屯地に来たところで道は終了…ガイドブックではそのまま歩けるようになっているが、この先の小さなトンネルは薄暗く、柵もあって中に入ることができない。どうしたものか…すると軍の関係者が現れ、いったん車道に出るのだと教えてくれたので、右手の車道に入り、排気ガスたっぷりのトンネル内を下っていった。

 トンネルを抜けるとまもなく、目の前に橋が架かっている。これがもしや…と近づいてみると、どうやら悪魔の橋のようだ。なんか意外にあっけない、しかも橋自体が特別のものではない印象である。展望地まで行ってみると、正直、橋は大したことないが、ここのシェレネン(Schöllenen)渓谷は迫力満点で、十分に見応えがあった。

Teufelsbrücke
悪魔の橋

Schöllenen
シェレネン渓谷

  ここからしばらくはトレイルが延びているので、のんびり歩いていく。まずは橋の下を通り、向かいの小さな橋を渡るが、この辺りから見る方が迫力はありそうだ。すぐ近くではスイス軍が演習の準備をしており、なかなか面白い。ここから渓谷沿いに下り、車道を横切ったりしながら進んでいくと、だんだんとゲッシェネンの街が見えてきた。周囲には険しい岩壁が迫り、まずまずの景観の中を見せてくれる。そして難なくゲッシェネンに到達し、1時間程度の楽々ハイキングは終わった。

 ここからは北上する列車に乗るが、この辺りも意外に風光明媚で変化に富んだ景観が続く(氷河特急より良いかも?)。美しいフィーアヴァルトシュテッテ湖(Vierwaldstättersee)が見えてきたところで乗り換え、特急列車でルツェルン(Luzern)へ。ルツェルンでは少々空き時間ができたので食べ物を購入するが、ここは想像以上に大きな街で、かなりの人で賑わっている(物価もなぜかベルニナ地方より安い)。そしてインターラーケン(Interlaken)行の列車に乗り、最後は急坂を下るようにして、目的のマイリンゲンに到着したのは夜の8時前であった。

 マイリンゲンに来た目的は、明日から滞在するグリンデルワルトまでの区間が美しいと聞いていたのと、ここがあのシャーロック・ホームズ終焉の地であることにあった。この時間ではもう博物館は営業していないので、さっそく予約しておいたSporthotel Sharlock Holmesに急ぐ。ガイドブックには、このホテルは「内部は部屋に飾られた絵や写真、じゅうたんの柄にいたるまでホームズ一色」とあったが、いざ着いてみると名前だけで、中身はほとんどホームズ色がない(経営者が変わったのだろうか?)…しかも室内の電話は外線に繋げられず、インターネットを利用することもできない。せっかく高いお金を払ってホテルに泊まったのに、これでは大損だ。

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