検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記ヨーロッパ>アルプス
ドイツの国旗 オーストリアの国旗

旅行記:アルプス(世界自然旅)

35.おとぎの城見物 (2004/6/13-14:雨後晴

 チロルの前に

 ドイツのミュンヘンに到着したのは、13日の9時過ぎ。あいにくの曇天だったが、駅は活気に満ち溢れていた。ここから直接、オーストリアのチロル(Tirol)地方に入ることも可能だが、ドイツを素通りしてしまうのもなんなので、せめて端だけでもかじろうかと、南端の街、フュッセン(Füssen)に向かうことにした。

 フュッセンは、有名なロマンチック街道(Romantische Straße)の終着点で、ディズニーのシンデレラ城のモデルになったとも言われるノイシュヴァンシュタイン城(Schloß Neuschwanstein)への玄関口である。チロルに入る前に、少しぐらいはヨーロッパらしい城巡りをしておかないとヨーロッパ・ファンの人に怒られそう(?)なので、ここをアルプス編のスタート地点に選んだわけだ。

 ミュンヘンからフュッセンへの直通列車は2時間に1本なので、しばらく駅構内で待機(腹ごしらえも済ます)し、10:51発の列車に乗って、フュッセンには13時前に到着。するとタイミングよく城に向かうバスが出るので乗車し、ものの数分で麓のホーエンシュヴァンガウ(Hohenschwangau)にたどり着いた。

 この日は日曜日ということもあって、周辺は大混雑。城目当ての観光客でごった返していた(もちろん日本人も多いが、それ以上に多いのが中国人)。まずは予約しておいた宿、Romantic Pension Neuschwansteinに出向き(バックパックのため最初は邪険に扱われたが、予約していることがわかると途端に柔和な態度になった)、荷物を降ろした。

  そして、さっそく城見物に出かけようと思ったのだが、雲行きが怪しい…とりあえず進んでみると、案の定、バス停まで戻ったところで雨が降り出してしまった。雨はあっという間に激しくなり、雷も鳴っている。これでは観光にならないので、雨が弱まったところで宿に戻り、しばらく横になって様子を見守った。

 雷雨はなかなか止まず、一瞬止んだかと思っても、また降り出してくる始末。部屋からはいちおう城を見ることができるが、なんだかとても色あせている…移動の疲れで転寝してしまうと、気がついたら夕方で、ようやく晴れ間が覗くようになっていた。

  もう城見物の時間はないが、ひとまず町まで出てみると、城は美しい姿を見せ、近くのホーエンシュヴァンガウ城(Schloß Hohenschwangau)も良く見えている。だが、油断していると雨雲がやって来て、しばしのシャワーが降りかかる。いい加減お腹が空いたので、カフェで安ピザを食らい、これなら明日はきっと晴れるだろうと信じて、宿に戻っていった。

Schloß Neuschwanstein from town
麓から見るノイシュヴァンシュタイン城

Schloß Hohenschwangau
ホーエンシュヴァンガウ城

 城を見下ろす

 翌日は、快晴とはいかないまでも、まずまずの天気になっていた。今日は城を周回し、360°、上からも下からも見てあげようと考えていたので、まずは2.4km先のロープウェイ乗り場まで歩き、テーゲルベルク山(Tegelberg:1720m)に一気に上る。山にはまだ雲がかかっていたが、この時ちょうど霧が晴れたので、眼下に湖を見ながら快適に上昇していく。しかし、頂上駅に着くと瞬く間に雲が成長し、霧の中で何も見えなくなってしまった。下は晴れていたのに、少々早過ぎたようだ。途中でいったん視界が開きかかったが、すぐに一面霧となり、同じ車体に乗っていた人たちは諦めて帰っていった。

 だが待てよ…霧がかかっているということは、あの雲の量からして、上昇してきている証拠だ。それなら、もう少しで視界が開けてくるはず…するとまもなく、霧が晴れて展望が広がり始めた。その後一度は雲隠れするものの、今度こそ雲が昇り、眼下に大パノラマが広がった。これは予想以上に素晴らしい。気を良くしたところで、いよいよ城を見下ろすべく、歩き始めるのだった。

View from Tegelberg
テーゲルベルク山からの展望

Schloß Neuschwanstein
ノイシュヴァンシュタイン城を見下ろす

  既に山頂まで上がっているので、コースは基本的に下り坂。体力的には楽なものだが、意外に急な道になっているので、注意しながら下っていく。青マークに従って進むと、ほどなくして樹林帯に入り、平坦な道になった。その先では緩やかなジグザグ道を下り、やがて山腹を回りこんでいけば、南側の展望が開け、岩稜が見えるようになってくる。天気も良くなり、だんだんと暑いほどになる。が、城はまだ見えない。いったいどの辺まで進んできたのだろう…

 着々と下ると、道は再びジグザグになり、どんどん高度を落としていく。しばらくして崖が現れたので覗きこんだところ、はるか下に城が見えているではないか。あまりにも小さくて、まるでオモチャのようだ。これでは迫力に欠けるので、今しばらく急坂を下っていく。

  ここまでほとんど人と会わなかったが、この辺りから登ってくる人たちがぼちぼち現れ、とても辛そうだ。やがて、北側が切れ落ちた展望地が登場(ただし1人いるのがやっと)。ここから見下ろすと、城が格別に美しい…これぞ「おとぎの城」だ。ここがとても気に入ったので、昼食も兼ねてしばらく休むことにした。

 ここまで天気が良かったが、この展望地に着く手前から随分と雲が広がり、空を覆うようになってきた。是非とも陽の当たった城を撮りたいので、ここでしばらく粘るが、なかなか晴れそうで晴れてくれない(周囲が晴れても、なぜか城は晴れない)…30分ほど経ってようやく光が差してくれたので、これを収めて下山再開となった。

 下り始めると、随所に展望が開ける…と思っていたのとは裏腹に、その後は森の中を下るばかりで、視界があまり開けない。気がつけば随分と高度を落としていて、眺めもイマイチになってしまった。やや残念に思いながらさらに下りていくと、森を抜けたところで、城を真横から見るポイントが現れた。ふと見れば、終点のマリエン橋(Marienbrücke)が間近に迫り、観光客でごった返している。わずかな場所の違いでこれだけ賑わいが違うものかと思いながら、私はこの静寂の展望地でしばし城の姿に見入った(花束が置いてあったので、誰かがここから落ちて死亡してしまったようだ)。

View from near Marienbrücke
マリエン橋付近より

 そして、数分でマリエン橋までたどり着くと、ここからは観光客でごった返していて大賑わい。一刻も早く帰路につくため、ここでバスを利用してホーエンシュヴァンガウまで戻ったのであった(城の入場券を買っていなかったので、中には入れず)。

 そしてチロル入り

 いったん宿に戻ったら荷物を引き取り、バスでフュッセンに向かう。ここからロイッテ(Reutte)行バスに乗るのだが、幸い1時間ほどの待ち合わせで便があった(便数は少ない)。駅で待機し、バスに乗るとまもなくチロル入り、周辺には不思議と白雪の山々が見られるようになった。

 ロイッテからは列車に乗り換えるが、途中でドイツ最高峰のツークシュピッツェ(Zugspitze:2962m)を避けるため、いったんドイツ領に逆戻り。このあたりの景観も迫力があって、山には雲がかかっているものの、見応え十分であった。そして終点で乗り換え、南に下っていくと改めてチロルに入り、ゼーフェルト(Seefeld)を経由してさらに進むと、列車はやがて谷を見下ろすようになり、その先にはアルプスの峰々が美しさを競っている。これはこの先、非常に楽しみだ。

German view from train
ドイツの車窓から

Tirol view from train
チロルの車窓から

 こうしてチロル地方の中心都市、インスブルック(Innsbruck)に着いたのが6時過ぎ。ちょっと店を覗いてみると、日本並みの物価になっていて一安心だ。ここの屋台でケバブを食べた後、バスに乗車してJugendherberge InnsbruckYHA)にチェックイン。ところがこのホステル、規律が非常に厳しくて、オープン・スペースを使えるのが22時まで、門限と消灯が23時、起床と開館が7時、10時から17時までは閉館になるという。これでは日記の作成もままならないではないか…しかし、今さらどうすることもできなかった。

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.