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旅行記:アラスカ(世界自然旅)

82.最後の訪問地 (2003/9/10:晴時々曇

 日程追加!

 デナリを見て、オーロラを鑑賞したところで、本当は旅を終えて日本に帰るつもりだった。当初予定よりデナリを1週間近く削った分、帰りの日程には余裕があったが、次の南米旅行の計画を立てなければいけないし、アラスカには冬が迫っている。これでもう十分だと思っていた。

 しかし、その予定を変えようと思ったのは、カナディアン・ロッキーのロブソン山で話を聞いてからである。その人はアラスカまでヒッチハイクで行ったのだが、途中でランゲル=セント・エライアス国立公園(Wrangell-St Elias National Park & Preserve)に立ち寄り、クマと格闘してきたなどと話をしていた(かなり危なかったらしい…)。

  この国立公園はアメリカ最大の面積を有し、ユーコンのクルアニ国立公園(Kluane National Park)、ブリティッシュ・コロンビア(British Columbia)のタッチェンシニ・アルセク州立公園(Tatshenshini-Alsek Provincial Park)、そしてグレイシャー・ベイ国立公園とともに世界最大の自然保護区を形成し、アラスカで唯一の世界遺産にも指定されている。これは北海道と四国を合わせた面積に匹敵し、北米の高峰の多くを擁している。しかも、その大部分が人跡未踏の地だ。

  当然、私も興味を持っていたが、日本のガイドブックにはほとんど記述がなく、それも個人旅行者ではとても行けそうもない(あたかも専用車が必要な)ように書かれていたので、今回は諦めていた。

 しかし彼が言うには、1人でも十分行けるし、その価値はあるところだというので、すっかりその気になってしまった。そこで、ジュノーで停滞していた時に、図書館でガイドブックをあさってみると、英語のガイドブックにはかなり詳しく紹介されているではないか。宿やハイキング情報はもちろん、バスや飛行機などの交通手段もちゃんと書かれており、ヒッチハイクをしなくても行けることがわかった。もう晩秋なので、行ける所は限られるにしても、最後の1週間を楽しむには絶好の場所。こうして、最後の訪問地として追加したのであった。

 行けなくなる?

 ということで、10日にフェアバンクスを発ち、まずはグレナーレン(Glennallen)を目指す。9時発のホワイトホース(Whitehorse)行に乗り、5時間かけてトク(Tok)に到着。ここでアンカレジ行に乗り換えて、さらに3時間でグレナーレンにやってきた。もう夕方なので、Northern Nights Campgroundの前で降ろしてもらい、チェックイン(アポなしだったが、さすがにシーズンオフなので問題なし)。そして、近場で情報収集を済ませたら、明日のバスの予約をするべく電話をかけた。

 すると、バスは8月末で終了し、チャーター以外では運行されないという。そんなバカな…数回確認するが、相手の態度は変わらず、1人ではどうしても駄目とのこと。念のため1人でチャーターした場合の料金を聞いてみたが、法外な値段を言われたので断念。ここまで来て、もう行けなくなってしまったのか…

  しかし、まだ手はある。グレナーレンから100kmあまり先のチットナ(Chitina)からは飛行機が飛んでいるので、これを利用すれば良いのだが、問題はチットナまでの足だ。そこでキャンプ場の管理人に相談してみるが、今日はもう遅いから、明日相談に乗るとのんきな調子。こちらは1日でも早く行きたいのに!

  こうなったら、さらなる奥の手を使うことにしよう。実はここの訪問にあたり、アンカレジに戻る17日にバスがない(週3便しかない)ので、Wrangell-Saint Elias Lodging & Toursという会社に相談したところ、シャトルバスを用意できるとの知らせを受けていた。ならば、最後にこの会社に頼ろうと、泣きつくように事情を説明し、救済策を検討してもらう。すると、飛行機を手配するうえ、明朝グレナーレンまで迎えに来てくれるという。おぉ、これぞ神のなせる業!またも薄氷を踏む思いであったが、何とか目処が立った。

 ついに飛び立つ

 そして翌日、朝の7時に迎えに来るというので、6時過ぎに起床するが、昨夜は身も凍るような寒さでよく眠れなかった。日の出前は土もテントも霜だらけで、異常に寒い。これはもう、キャンプをする環境ではないと悟った。

 陽がキャンプ場に差し始めるとともに、迎えの車が到着。すると、運転しているのは若い女性であった。名前はジェニファー。メールでやり取りしていたので知っていたが、まさか自分と同じか、さらに若い人が社長とは思ってもいなかった。

 ともあれこれで一安心で、リチャードソン・ハイウェイ(Richardson Highway)を南に下っていく。聞けば、この会社はわずか5名で、まだビジネスを始めたばかりだという(キャンプ場の人も知らないぐらいだった)。通りでこんな私にも親切に対応するわけである。

  コッパー・センター(Copper Center)を過ぎてさらに南下すると、やがてランゲル山脈(Wrangell Mountains)が見渡せるようになり、まもなくウィロウ・レイク(Willow Lake)が登場。湖面には霧が残り、その向こうにはドラム山(Mt Drum:3661m)、サンフォード山(Mt Sanford:4949m)、ランゲル山(Mt Wrangell:4317m)などを望む、美しい眺めだ。急ぎながらも、ここは休憩を取ってくれたので、じっくりと鑑賞することができた。

Willow Lake
ウィロウ・レイク

  この先を左折し、エドガートン・ハイウェイ(Edgerton Highway)を延々走っていくと、時間より少し早くチットナに着いた。しばらく待って軽飛行機が現れ、着陸成功。客が降りたら、続けて車で来ていた1人と機内に乗り込む。ここで15日に帰りたい旨を伝えると、操縦士は「定期便は14日で終了だけど、交渉すれば何とかなると思うよ」とのこと。ジェニファーが飛行中に話をつけておくと言うので、話はそちらに委ねて、ついに念願の地へ飛び立った。

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