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旅行記:アラスカ(世界自然旅)

77.デナリ隠れる (2003/8/30:曇時々晴後雨

 グリズリー接近

 昨日のツンドラ・ウォークにも懲りず、今日も日帰りのトレッキングを行う。天気は徐々に崩れているようで、今にも雨が降りそうな気配だったが、行けるうちは行こうということだ。

 今日は、ポリクローム・パス周辺を歩く予定なので、昨日まで一緒だった彼と別れたら、バスに乗って東に向かう。車内では、今日帰るという吉田さん夫婦とご一緒したので、旅の話などをいろいろしていたが、アイルソンを過ぎたところで、ドライバーが「前方にグリズリーがいるので、静かにするように」と珍しく注意してきた。どうやら相当近いらしい。

  息を殺して近づくと、すぐ近くにグリズリーの親子が、しかもコグマ3頭を引き連れて、道路脇を歩いているではないか。まだ入口からはバスが来ていないので、これは我々だけに舞い降りた幸運。至近距離で、親子の様子をじっくりと拝見させていただいた。

Grizzly Bears
グリズリーの親子

Cubs
子供たちがかわいい

 この接近観察を終えたら、ポリクロームを越えて、トクラット川を渡る手前で降ろしてもらう。もちろん、こんなところで降りる人は他にいないし、この先もトレイルはないのだが、ロンリープラネットの"Hiking in Alaska"には、ちゃんと紹介されている。またきっとツンドラに苦戦させられるだろうが、本にある"one of the most scenic sections of the park"という言葉を信じて歩く所存である。

 またも大苦戦

 バスを見送って歩き始めるが、いきなりのツンドラ斜面に辛酸をなめる。足場が深く、あまり開けていないので、思うように進めないのだ。たかだか2km足らずと思っていたが、ここを越えるのに1時間半もかかってしまった。

Toklat View
苦難の道のりを振り返る

 やっとのこと谷間に出たので、沢床に下りてしばし悠々と歩いていく。しかし、このまま進むと崖のようなところを登りかねないと思って、途中から斜面を登り始めるが、ここもまた苦戦。直接峠に行くのは困難だったので、いったん稜線伝いに歩く。小ピークに登りつくと、下に目指す峠が見えたので、ここを楽々と下っていった。

  峠でちょうど昼時となったので、正面の山々を見ながら、ふかふかの大地の上で休憩する。周囲には人の気配すらなく、自分が大自然の只中にいることを実感する。でも、この辺りにはグリズリーが多いというから気をつけなくては…

Colorful
色鮮やかな紅葉

View from the pass
峠からの眺め

  食後まもなく歩行を再開し、沢筋に向かって下る。ここは比較的楽だったが、沢の近くに来て湿地帯になり、ズブズブとはまり出した。1本の流れを越えてまもなく、このまま下るのは困難になってきたので、緩やかに登ることにする。

  この先もできるだけ歩けそうなところを選ぶが、もともと道がないので、すぐに修羅場が訪れ、少し先に進むのも大変だ。何とか木々をかいくぐって歩いていくものの、気がつけば谷沿いの崖を歩くようになってしまった。本によれば、沢筋を進むことになっていたが、本流の手前で登り始めてしまったので、随分と険しいところに出てしまったのだ。

Polychrome Valley
崖の上に出てしまった

  しばらく崖の淵に沿って進むものの、あまりにも危ない箇所が増えてきたので、途中で諦めて、崖を斜めに下っていく。これも結構危険だったが、比較的易しい斜面を選んでクリア。かなり疲れたが、これでしばらくは安泰となった。

  その後は沢に沿って上流に翻っていくが、途中で流れが分かれてしまい、本流についていったら違う道に入ってしまった。慌てて引き返し、半ばでショートカットしようとするとまたまた苦戦。それでも何とか本ルートに戻り、小さな池が見えてきた。ここまで来ればもう少し、気がつけばポリクローム・マウンテン(Polychrome Mountain)も眺められ、大地を覆う紅葉が美しかった。

View of Polychrome Mountain
ポリクローム・マウンテンを望む

Polychrome Pond
池が登場

 バックカントリー断念

 ここでしばらく休んだら、最後わずかに歩いて道端に出る。今日もまた相当疲れたが、何とか無事に歩き終えたのだ。そして、バスが来るのを待っていると、天候はいよいよ悪化し、まもなく雨が降ってきた。でも、夕方まで持ちこたえてくれたのだから良しとしよう。そして、最終のキャンパーバスを捕まえてキャンプ場へと帰っていった。

 その翌日は、朝から大雨になっていて、デナリはもちろん、周囲のアラスカ山脈や谷間も全く見えない。これでは出歩くわけにはいかないが、どうせバスはタダなので、アイルソン・ビジターセンターに出向いて時間を潰す。道中でムースやビーバーを目撃したが、アイルソンは完全に霧に包まれていて、視界は全く効かない。それでも多くの観光客がここを訪れ、少し休んだら帰っていくのは不思議であった。

Moose
ムース

 明けて9月1日。今日からはバックカントリーに入り、アイルソン山を周回する予定だったのだが、昨日同様、朝から大雨となり、視界はまるで効かない状態である。しかも、これから歩こうとするコースは、デナリを望むために歩くようなものであり、途中で多くの沢や川を渡渉しなければならない。これでは骨折り損ばかりか、命の危険すらあるのだ。そこまで無理をしても仕方がないと思い、今回の企画は断念せざるを得なかった。

Food Gear
フードコンテナとパーミット

  ゲートに戻り、フードコンテナなどを返却したら、Denali Mountain Morning Hostelに電話をして寝床を確保し、迎えの車に乗って宿に入る。ここには日本人のバックパッカーもいて、なかにはデナリで全然動物が見られなかった、天気が悪いなどと不平不満を言う輩もいたので、こういうところでは余裕を持って日程を組み、確率を高めるために何度も足を運ぶ必要があるのだ、などと説教してしまった。もっとも、今回の私はかなり恵まれた方で、その前後はずっと雨に見舞われたようだが。

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