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旅行記:アラスカ(世界自然旅)

76.風景が雄大すぎる (2003/8/29:曇一時晴

 デナリ劇場

 深夜にデナリが見えていたので、朝焼けもきっと綺麗に見えるだろうと、早朝5時に起床して日の出に備える。予想通り、まだデナリは完全に見えていて、西から空が赤くなってきた。こうなれば間違いないので、より眺めの良い場所に移動して、赤く染まるのを待った。

 ところが、空がだんだん明るくなってくると、暗くて見えなかった雲が露わになってきて、デナリの周りを覆っているのがわかる。もうすぐ日の出だというのに、朝焼けにならないのだろうか…かなりヤキモキしたが、いざ太陽が現れると、雲も含めて染まり出し、神々しいまでの景色となった。素晴らしい…

Denali Sunrise
朝焼けのデナリ

  一瞬の劇場が終了すると、いつの間にか雲が増えて、周囲のアラスカ山脈(Alaska Range)の山々もすっかり曇ってしまった。まだ雲に隠されるほどではないものの、これからワンダー・レイクに行こうとしているのに残念だ。

 朝食を終えたら、例の日本人と一緒に出かけることになった。まず目指すはワンダー・レイク越しのアラスカ山脈なので、8時過ぎのカンティシュナ(Kantishna)行バスに乗り込む。実は、キャンパーがゲートより西のバスを利用するのはタダなので、いくらでも乗り降りできて便利だ。

  運転手にお願いして、湖畔のレンジャーステーション前で降ろしてもらい、そこから湖に出て景色を眺める。既にかなり曇ってはいたが、紅葉したワンダー・レイクとアラスカ山脈、そしてデナリの雄姿は美しいものであった。

Denali from Wonder Lake
ワンダー・レイク越しのデナリ

Alaska Range from Wonder Lake
湖からアラスカ山脈を望む

 番組の山へ

 まもなくデナリは雲に隠れてしまったので、カンティシュナ方面に歩いていく。この辺りの紅葉は、良く見るとかなりくすんでいて、美しいとは言えないが、遠目に見ればまだ大丈夫だ。アラスカはもう晩秋、そしてすぐに冬がやってくるのである。

 カンティシュナには3泊で$1,000以上する高級ロッジばかりあるが、実際訪れてみると、手前の山が邪魔してデナリは見えない。もしかすると、斜面に立っているロッジなら見えるかもしれないが、それにしても遠いし、わずかしか見えないだろう。ワンダー・レイクのキャンプ場には遠く及ばず、料金も破格なので、大枚はたいてこんなところに泊まらず本当に良かった。

 さて、ここからは頭上に見える山、ブシア・マウンテン(Busia Mountain)に登る。これは2002年、NHK BSで放送された「アメリカトレッキング紀行」という番組で歩かれていたもので、山頂からはデナリが正面に望めて素晴らしいという。ワンダー・レイクからも遠くないので、この山に登ったら、そのままキャンプ場まで歩いて帰る予定だ。

  番組ではトレイルがあるように説明されていたが、どこが入口なのかわからない。その前にムース・クリーク(Moose Creek)を渡らなければいけないのだが、その場所もわからない…しばらく下っても見つけられなかったので、道を引き返し、元の橋を渡ったところで山側に入っていった。

  デナリ自体トレイルはほとんどなく、ここもそのような踏み跡はない。2人でルートファインディングしながら登っていくが、これは見た目以上に大変なことで、最初の登りはクリアしたものの、次は途中に沢が隠れていて、草木だらけの急なアップダウンを強いられてしまう。さらに登っても、木々だらけのところに迷い込んでしまい、大変なことになってしまった。

Busia leaves
紅葉がせめてもの慰め

 なかなか進まない…

 悪戦苦闘しながらも、地道に1つ1つ片づけていって、やっとのこと稜線に出ることができた。こんなに苦労するとは思わず、一時はどうなることかと心配したが、ここまでくればもう大丈夫。障害物はなくなり、岩がちの稜線を登っていくだけだ。

 この登り、一見緩やかそうに見えるが、全体の風景が雄大なのと、前半でかなり疲労したため、思ったより長く感じる。それでも、背後に望めるアラスカ山脈に励まされながら登って、頂上の稜線に到達。腰を下ろすと、デナリを中心にアラスカ山脈が一望のもととなり、何とも贅沢な眺めだ。これで晴れていれば言うことないが、それでも歩いてきた甲斐はあった。

View from Busia Mountain
ブシア・マウンテンの中途からの眺め

 ここでしばらく休憩したら、今度は山々に向かって下っていく。実に雄大な景観を眺めながら快適に下る…はずだったが、下にはツンドラの世界が広がっていて、所々でズブズブとはまる箇所があり、思うようには進めない。スポンジのようなところは気持ち良いし、足の踏み場もないほどのベリーに包まれて幸せなのだが、やはりツンドラの中を歩くのは一苦労だ。

  おまけに風景が雄大すぎるので、歩いても歩いても、全然進んだ気がしない。これまで感動していたアラスカの雄大さも、ここでは恨めしくさえ思えてくる。ワンダー・レイクは近いはずなのに、全く見えてこないのだ。これだけ歩き慣れていても、疲労がたまりにたまり、歩くのが億劫になってしまった。

  それでも、どうにかしてキャンプ場には戻らなければならない。適宜休憩しながら、もう少しだ、と信じて歩いていくと、やっとのこと左手に湖が見えてきた。さらに歩くと、またしても木々や崖に阻まれて難儀するが、しばらくでキャンプ場に到着。甘く見ていたのは事実だが、これだけ苦戦したのは久しぶりだった。

  あまりに疲れたので、後はのんびりと過ごし、夕方を迎える。デナリはもう雲に隠れていたが、今度はアラスカ山脈の一部と雲が真っ赤に染まり、美しい姿を見せてくれた。アラスカは空も雄大なのだ。

Sunset of Alaska Range
アラスカ山脈が赤く染まる

Sunset cloud
鮮やかな雲

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