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旅行記:アラスカ(世界自然旅)

75.伝説のオーロラ (2003/8/28:曇後時々曇

 出でよデナリ

 デナリ4日目、ついにワンダー・レイクのキャンプ場に向かう。今日はやや曇っているものの、それほどひどくはなく、またしても予報は外れたようだ。

 8時半発のキャンパーバス(キャンパー用に後部が荷物置き場になっている)で再び西へと走っていくが、あいにくデナリは雲間に隠れ気味。ただ、ぼんやりとは見えているので、天候の回復を祈るばかりである。

  しばらく走ると、道中にグリズリーが現れた。道端を歩いているので、何台ものバスが止まり、皆息を潜めて見つめている(もちろん、外に出ることは許されていない)。その後、やや遠いもののカリブーも見られ、やはり回数を重ねるとともに動物を見る機会も増えてきた。

Grizzly Bear
グリズリー・ベア登場

Eating Grizzly
ベリーに夢中?

 ところで、バスには1人、日本人らしき人が乗っていた。彼は今日が初めてなのか、揺れる車内で一生懸命写真を撮ろうとしている。"Stop!"と言えば止まってくれるのだが…途中の休憩所で声をかけてみると、やはり日本人で、これからワンダー・レイクで2泊するそうである。私は4泊なので半分だが、仕事の関係でそれが限界とのことだ(彼はアメリカ本土で働いている)。

  アイルソンを過ぎると、今まで雲まみれだったデナリから、徐々に雲が消えていくのがわかった。ここからワンダー・レイクまでは、大きなデナリを左に見ながら近づいていくが、出でよデナリ!と祈っていると、だんだんと姿が綺麗に見えてきた。もう少しだ、頑張れデナリ!

Cloudy Denali
デナリから雲が取れてきた

  しかし、その完璧な姿を見る前に、バスはワンダー・レイクに到着した。湖は思ったより普通だが、ロケーションは予想通り素晴らしいところのようだ。

 快適なキャンプ場

 バスから荷物を降ろしたら、さっそくの場所取りとなる。当然デナリを望む場所でキャンプしたいので、良いサイトを探すが、既に結構埋まってしまっている。28サイトしかないが、このバスだけでも十数人が乗っていたし、後続もあるはず。どこが空いているんだ?

  すると、やや下がったところに空きサイトを発見した。このキャンプ場は半すり鉢状になっていて、デナリとの位置関係は微妙だったが、何とか直接望むことができる。車内で一緒だった男性もすぐ隣り(10mぐらい歩く)に陣取り、まずは一安心であった。

 テントを組み立てたら、食料をフードロッカーに預ける。このキャンプ場は思いのほか快適で、トイレや水はもちろん、ゴミ箱も用意され、サイトには長いすもある。ちゃんと整地されているので寝心地も良さそうだし、デナリを正面に望めるのだから、これは絶好の滞在場所だ。

 ただ、1つ問題を挙げるとすれば、蚊の多いことである。盛夏の悲惨な状態(蚊取り線香をそこら中に焚いても足りず、トイレすらままならない)に比べればずっとマシだが、それでも目障りなほど周囲を漂っている。蚊は好きではないので、久々に蚊除けネットを頭にかぶってやり過ごした。

  夕食を終えると、レンジャープログラムがあったので参加し、白夜についての講義を受ける。やがて陽が沈まんとする頃になると、いよいよデナリにかかる雲が消えてきて、氷河をいただく山塊が赤く染まり始めた。

  これはチャンスとばかりに、2人で展望地まで少し登り、夕焼けのデナリを激写する。特に、デナリの妻「マナリ」ことフォーレイカ山(Mt Foraker:5303m)は赤く輝いて美しい。デナリの頂上に小雲が残っているのが残念だったが、この調子だと今夜オーロラが見られるかも、なんて冗談を言って就寝した。

Denali Sunset
陽暮れ時のデナリ

Sunset of Mt Foraker
フォーレイカ山の夕焼け

 6万年の奇跡

 疲れていたのか、寝袋に入るとあっさり眠ってしまったが、深夜1時、後ろのサイトでひそひそ声が聞こえて、目を覚ましてしまった。何やら感動しているような声が漏れ聞こえるが、こんな時間に何をしているのだろう…しかし、彼らはまもなく静かになったので、私も安心して再び眠りについた。

 そして、さらに1時間が経って、テントの片側だけ妙に明るくなっているのに気づき、また目が覚めてしまった。ここには電灯はないはずだが…不思議に思ってテントの外に出てみると、なんと、大きなオーロラが踊り乱舞しているではないか!! これが初めてのオーロラだが、こんなに激しく動き回るものとは思っていなかった。すごい、凄すぎる!

  しばらくはこの超常現象に心奪われたが、ふと我に返ると、急いで隣のサイトに走り、日本人の人をたたき起こす。「すごいオーロラが見えてますよ!」

  彼は寝ぼけていたうえメガネも外していて、最初は状況が飲み込めていなかったが、メガネをつけてオーロラを見ると、思わず感嘆の声をあげた。そして、急いで写真撮影を試みるが、実はオーロラはまだだと思っていて、撮影の準備は全くできていなかった。白い息を吐きながら、試行錯誤していると、オーロラはいつの間にか矮小化し、まもなく消えてしまった。あんなに凄まじかったのに残念…

  しかし、デナリに目を向けると、その脇には著しく輝く星があった。そう言えば今、6万年ぶりに火星が大接近していて、昨日が最接近日だったのだ。あまりに明る過ぎて、普通に撮るとデナリが薄暗くなるほどの明るさだ。こんな光景、この6万年で一度も見られたことのない奇跡ではないか!

 こうして深夜の奇跡は終わったが、自分にとっては、これはオーロラとの伝説的な出合いであった。自分で写真を撮れなかったのは残念だが、この光景は、一生心の中に残ることだろう (※以下の写真はMYOSHIさんに提供いただいたもの)。

Aurora
オーロラ

Denali and Mars
デナリと火星

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