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旅行記:アラスカ(世界自然旅)

67.激しい後退 (2003/8/16:曇時々雨

 雨、雨、雨…

 アラスカのフェリーと言うと、ものすごい豪華客船を思い浮かべるかもしれないが、私が利用するのは州営のアラスカ・マリンハイウェイ(Alaska Marine Highway)。ごく普通のフェリーで、しかも一番安いクラスなので、適当な場所に雑魚寝するしかない。朝の5時発だったので、座席にスペースを確保したらそのまま眠りについた。

 目指す州都・ジュノー(Juneau)へはほぼ24時間かかるが、外を見ても低い雲が垂れ下がり、何も望めないので、ひたすらのんびり過ごす。アラスカは雨が多いと聞いていたが、さっそく洗礼を受けたわけだ。そして、14日の午前4時過ぎ、無事ジュノーに到着することができた。

 到着時も雨で、それも結構な降り方であった。港から街までは約22kmあるが、タクシーは使いたくなかったので、数キロ歩いて市バスを利用する。街に入ったら、坂を上がってJuneau International Hostelへ。なぜか予約が1週間先に入っていたが、満員ではなかったので事なきを得た。

  天気が良くなれば、この後トラムウェイ(Tramway)に乗ってロバーツ山(Mt Roberts)でも訪れようかと思っていたが、一向に回復する兆しはない。仕方なく、午後になって豪華客船の乗客で賑わう街中に出て、インフォメーションセンターや図書館に赴き、旅の情報収集に努めた。

  そして次の日も、相変わらず激しい雨が降っており、身動きが取れない。そこで、アラスカ州立博物館(Alaska State Museum)を訪れたら、後は再び図書館に出向いて、ガイドブックをあさったのであった。

 氷河の盛衰

 翌16日も天気は優れなかったが、あらかじめグレイシャー・ベイ国立公園(Glacier Bay National Park)の日帰りツアーを申し込んでいたので、出かけるしかない。早朝5時にタクシーを呼びつけて空港に向かい、小型飛行機でガステイバス(Gustavus)に飛ぶ。そして迎えの車に乗り込み、クルーズ船に駆け込むとあっという間に出発となった。

 ジュノーでは雨は降っていなかったが、こちらはのっけから雨に見舞われ、視界はまるで効かない。ここから氷河までは100kmあまり、途中はただ大きな湾が広がっているだけなので、しばらくは見所がなく、船内で無為に過ごした。

 それにしても、およそ200年前、探検家のジョージ・バンクーバーが訪れた時に、このグレイシャー・ベイが全て氷河に覆われていたというのは驚きだ。高さ1200m、幅は30km以上に及んでいたというから、想像すらできない。そして、それがわずか100年で大幅に後退してしまったのだから、これまた信じ難いほどの激しい動きである。

  船内ではレンジャーが国立公園に関する解説をするが、ここでは、その性格上、保全を目的とするのではなく、その変化を大切にし、研究しているという。確かに、これほど激しい氷河の盛衰は例がないだろうから、それ自体が価値のあることなのだ。1つまた勉強になった。

  船はしばらく進むと岸辺に向かい、積んでいたカヤックを降ろし始めた。ここはシーカヤックのメッカでもあり、こうしてクルーズ船に湾奥まで運んでもらって、数日カヤックを楽しみ、また船で帰ることもできる(もちろん、事前に国立公園の事務所で許可を得たり、船を予約する必要がある)。今回は日帰り観光に甘んじたが、こういう楽しみ方も良いかもしれない、と思った。

 海岸氷河に迫れ

 2ヵ所で積み降ろしをしたら、いよいよ氷河に近づいていく。このエリアには多くの海岸氷河(Tidewater Glacier)、すなわち海に直接落ちる氷河が見られ、時には氷塊が海に落ちるシーンも見られるという。これこそアラスカの氷河クルーズの醍醐味なので、ようやく楽しみになってきた。

 相変わらず天気が悪かったので心配したが、最初に現れたマルガリー氷河(Margarie Glacier)は隠れることなく見えており、鈍い青色に輝いている。今にも落ちるかと思うほど切り立った氷壁が迫り、迫力満点だ。

View of Margerie Glacier
マルガリー氷河

Maigerie Face
末端の氷壁

  その一方で、北にあるグランド・パシフィック氷河(Grand Pacific Glacier)は黒ずんで汚らしく、写真を撮る気にすらならない。これがこのクルーズで見られる最長の氷河だと思うが、見映えとしては残念というほかなかった。

 ここでしばらく氷河を眺めたら、タル入江(Tarr Inlet)を引き返し、まもなく右折してジョンズ・ホプキンス入江(Johns Hopkins Inlet)に入っていく。いきなりランプルー氷河(Lamplugh Glacier)が見えるが、ここはあっさり通過してさらに奥へと走る。すると前方にジョンズ・ホプキンス氷河(Johns Hopkins Glacier)が見えてきたが、船は途中で止まってしまい、あまり近づいてくれない。もっと迫って欲しいが、この辺りは氷山が多いので、これが限界らしい。残念…

Johns Hopkins Glacier
ジョンズ・ホプキンス氷河

  傷心の中を戻っていくと、今度は先ほど通過したランプルー氷河に迫る。マルガリー氷河ほどではないが、こちらも迫力の氷壁が見られ、まずまずの景観だ。これが晴れていたらどんなに素晴らしいことだろう…

Lamplugh Glacier
ランプルー氷河

  ここを去ると、まもなく右手にレイド氷河(Reid Glacier)を遠望できるが、ここも近づかずに通過。その後はすんなりと走り抜け、ガステイバスに戻った。天候にも恵まれず、お金と時間の割にはどうかと思ったが、初めての海岸氷河はまずまずだった。

  帰路は同じように車で空港へ向かい、そこから飛行機でジュノーに飛ぶ(今度は大型機だった)。でも、ジュノーの空港からは少し歩いてバスをつかまえ、身分相当に節約したのであった。

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