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ペルーの国旗

旅行記:アンデス&アマゾン(世界自然旅)

14.一気の峠越え (2003/11/17:晴

 静寂の理由

 これでチリはひとまず終わりにして、再びペルーに戻る。まずはペルー側の街、タクナ(Tacna)に向かうため、乗り合いタクシーに乗り込んだ。

  少し待って、4人の乗客が集まったところで出発。北に走り、両国の出入国審査を受けるが、ペルーの入国手続きでは、私がなぜか審査官のご指名を受けた。再入国がまずかったのだろうか…と恐る恐る近づくと、「ゲンキデスカ?ワタシハ○○デス」としゃべってはしゃいでいる。なんだ、ただ日本語を使いたかっただけか。

  こうして無事タクナに着いたら、今度はバスターミナルに赴き、アレキパ行を探す。なぜかタクシーの運転手が案内してくれるが、目的はチップだったようだ。まぁ、そのお陰でスムーズに見つけることができたので、ここは気持ちよくチップを払ってお別れした。

 タクナからアレキパまでは7時間もかかるが、バスはこれまでよりもボロく、途中では検問も多くて一筋縄ではいかない。おまけに、途中の街では物売りがすごくて、バスの車内にまで乗り込んでごった返す(時には、出発してもしばらく乗っている)から、面白いけれど、荷物が盗まれたりしないかとヒヤヒヤだ。でも、これが南米を旅する醍醐味の一つなのだろう。

 そんなこんなで、バスは丘越え谷越え走り続け、無事アレキパに到着した。ここはペルー第2の都市。さぞ混雑しているかと思いきや、街は静寂に包まれ、人通りもまばらだ。日曜日とはいえ、どういうことだろう…と思いつつ、タクシーでHostal Santa Catalinaまで行くと、その理由がわかった。この時ちょうど、サッカーW杯南米予選、ペルー対ブラジル戦が行われていたのだ。

  観戦中は殺気立っているが、負けると暴動になるかもしれないので、その前に街に出る。とりあえず、明日からコルカ渓谷(Cañon del Colca)に行こうと思っているが、ここではトレッキングができると聞いていたので、できればそんなツアーに参加したい。しかし、今後の日程を考えると、ここでは3日程度しか割けない。しかも、飛行機のチケットも入手しなければならないのだ。そんなうまくいくものだろうか。

 柔軟な対応

 そこで、ひとまず目ぼしいツアー会社に立ち寄り、話を聞くと、トレッキングを行う場合、通常2泊3日だが、1泊2日も可能。ただしどちらの場合も、コンドルの展望も周辺の観光も含まれないという。

  いや、どうせなら通常の観光も行いたいと愚痴ってみると、今度は一転して、それも可能だと言い出した。私一人のために、何という柔軟な対応だろう(先進国では考えられないが、これは1人でも採算が合うということを示している)。その場合、通常のコルカ渓谷ツアーに1泊2日のトレッキングを付けて、2泊3日。しかも航空券の手配も可能で、願ったり叶ったりだ。

  ということで、これで即決してしまった(リコンファームもお願いしておく)。なお、試合の方は引き分けに終わり、暴動など起こることなく、街はすぐに活気を取り戻した。夕方には、ペルー富士とも言われるミスティ山(Volcán Misti:5821m)が赤く染まり、私の前途を祝しているかのようであった。

Volcán Misti
夕映えのミスティ山

 そして翌日、ミニバンに乗ってコルカ渓谷を目指す。チャチャニ山(Volcán Chachani:6075m)の麓を周り込むように走っていくが、しばらくで未舗装路となった。途中、小さな店の前で休憩となったが、同じようにコルカ渓谷に向かうツアー客の多いこと。ペルー南部は観光客が多いが、ここもそのメインコースの1つなのだろう。

 荒涼とした世界をグングン登っていくと、いつの間にか4000mを越え、ついに4900mの峠に達した。アレキパが2335mだから、2500mあまりを数時間で一気に上がってきてしまったわけだ。これは自己最高記録だが、これまで散々高いところにいたせいか、それほど息苦しさを感じないのは不思議であった。

Colca Resting
休憩中

Colca Pass
峠からの眺め

 体感する間もなく…

 ここで小休止となったので、薄い空気を体感するため周囲を散策するが、風が異常に強く、なかなか思うように動き回れない。辺りには数人の物売りがいる程度で、大した見所もなかったので、ほどなくして車に戻り、高さを体感する間もなく先に進むことになった。

 ここからは一気に高度を落とし、標高3600mのチバイ(Chivay)まで下る。眼下にチバイの街を見ながら急斜面を降りていくが、この辺りの眺めもなかなかだ。そして、結局5時間ほどでチバイに到着。今日の移動はここまでなので、指定された安ホテルに入り、しばらくはのんびりと寛いだ。

View of Chivay
チバイを遠望する

  夕方前になったところで、近くにバニョス・ラ・カレラ(Baños la Carera)という温泉があるので、そちらに向かうことになった。温泉は思いのほか立派なもので、プールのように遊びまわれて面白かったが、ここも観光客が多いのが残念ではあった。

 そして、夕食をレストランで取っていると、しばらくで怪しげなグループが現れ、フォルクローレ(Folklore)をひきだした。フォルクローレ自体は哀愁があって嫌いではないが、あまりうまくないし、こちらが望んで呼んだわけでもない。でも、ここではそれが当たり前らしく、当然のようにチップを要求してきた(仕方ないので少し払ったが、良い気分はしない)。

  観光客目当てに媚びる人たちと、その芸に興じる観光客という図式は、いかにもツーリスティックなペルーらしいが、正直言って気分を害されてしまった。ツアー会社もそれを承知でこのレストランに足を運ばせており、これで客は喜ぶと思っている。それが、翌日には一層はっきりとわかることになろうとは…

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