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旅巧館旅行記オセアニアNZ Walking Journey 2001-2002
ニュージーランドの国旗

旅行記:ニュージーランド (NZ Walking Journey)

13.白き霧の彼方 (2002/1/4:曇時々晴時々雨後雪

 嵐は過ぎた

 嵐は深夜まで続き、テカポでも警報が鳴るほどだったが、一夜明けると収まったようだ。風はまだやや強いものの、一部では青空が覗くまでになっている。そこで朝食後、さっそく準備を整え、9時過ぎにはテカポを出発した。道中もおおむね晴れてきていて、期待できる天候である。

 アンウィン・ハットに到着すると、さすがに山の方はまだ霧が濃かったが、昨日と比べれば明らかに景色が良くなっており、ツアーも無事開催される運びとなった。

  一行は着替えを済ませたら、4WDに乗り換え、ダートロードをひた走る。途中のタスマン渓谷道(Tasman Valley Road)の終点までは問題なかったが、そこからは巨石の転がる悪路を突き進むため、かなりの揺れになる(何度も頭を打つほどなので、車酔いする人はたまらない)。まして昨日の嵐で道は一層荒れているので、毎日のように運転しているドライバーをして「最悪だ」と言わしめるほどの悪路になっていた。

  それでも、のらりくらりと難所を交わし、ハスキー・フラット(Husky Flat)まで車で移動。そこから、いよいよアイゼン&ピッケル持参のツアーがスタートした。

 と言っても、最初は比較的平坦な砂利道を歩くことになる。一箇所だけ下りで急な箇所があったが、後はそれほどのことはなく、30分ほどで道沿いのほぼ北端にあるボール・シェルター(Ball Shelter)に到着し、そこで広大なタスマン氷河(Tasman Glacier)を見ながらの昼食となった(もっとも、大部分は土砂に覆われているので綺麗でない)。

Tasman Glacier from Husky Flat
土砂に覆われたタスマン氷河

 稜線岩登り

 昼食後は一転して稜線を縫うような急登となる。しかもそのほとんどは岩だらけの難所で、足を踏み外したら最期、という危険な箇所ばかりだ。ガイドに従って登っていくが、かなり急で危険な登りのため、自然と4人ずつのグループに分かれていった。

  私は早い方のグループに入り、ガイドのイアンに付いていくが、ゆっくり登っているとはいえ、なかなかきつい登りである。ところどころ手を使わないと登れない箇所もあり、後続のグループとの差は広がるばかりであった。

 この登りは経験者でないと辛いところだが、それでも時々ボール・リッジ(Ball Ridge)上に出ると、すぐ隣りにボール氷河(Ball Glacier)が、遠方にはNZ最大のタスマン氷河が見られ、しばし疲れを忘れさせてくれる。晴天時にはマウント・クックやタスマン山まで見えるらしいが、それは白い霧の彼方にあって、さすがに見ることはできない。

Tasman Glacier
タスマン氷河を望む

Ball Glacier
ボール氷河

  それでも、ここまで来られる人間はそう多くない(個人で歩けないことはないが、少なくとも日本のガイドブックには紹介されていない)と考えると、なんだか贅沢な気分だ。また、登っていると時折雷のような音が聞こえてくるが、これは氷塊が崩落する時の音である。最初は不気味だが、そのうち慣れてくるから不思議なものである。

 夏なのに…

 こうして岩登りを2~3時間ほどこなすと、今夜泊まるキャロライン・ハット(Caroline Hut)が視界に入ってきた。この山小屋はキャロライン・フェイス(Caroline Face)の直下にあり、氷壁を眼前に見上げる別天地にある。本来ならここで2泊して、翌日にはローザ山(Mt Rosa:2161m)かターナー・ピーク(Turner Peak:2338m)に登り、周辺の氷河峰を一望するはずだったのに…

  ところが、小屋を目前にして雪が降り始めてしまった。それほど強い雪ではないものの、夏に雪が降るとは、さすがはマウント・クックである。我々はそれほど降られずに済んだが、後続のグループはかなり寒い思いをしたことだろう。小屋に入ってから時折外を眺めても、一瞬晴れ間が覗いた以外は霧深いままで、思わず明日以降に不安を抱いてしまう…

Tasman Glacier with rainbow
山小屋からタスマン氷河を見下ろす

  到着からしばらくすると、ガイドお手製の夕食をいただく(またしても歓談に参加しきれず、歯がゆい思いをしたが)。明日は5時に起床し、運が良ければクックの朝焼けを狙うつもりだが、この様子では難しいと言わざるを得ない…ともあれ、クックの懐深くに入り込み、自然の厳しさを改めて思い知らされたのであった。

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