検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記オセアニアNZ Walking Journey 2001-2002
ニュージーランドの国旗

旅行記:ニュージーランド (NZ Walking Journey)

3.悪天をついて… (2001/12/25:曇時々雨

 静寂の湖へ

 天気予報によれば、この日はフォックス氷河滞在中で最も天候の良い日だ。朝起きると、雲が多いながらも青空が覗いており、昼前には晴れてくるのではと思える陽気であった。

 そこで食事を済ませると、さっそく近くで自転車を借り、マセソン湖(Lake Matheson)に向かう。マセソン湖は、快晴時にはマウント・クックとタスマン山が湖に投影することで知られ、NZで最も美しい湖とも言われている。湖入口に着いたのは9時頃であったが、まだそれほど人も多くなかったので、さっそく周回コースを歩き始めることにした。

 ルートは1周1時間半ほどだが、非常によく整備されており、特別な装備も必要ない快適な道である。周りを見ると、フィヨルドランドの森を思い起こさせるような太古の様相を呈しており、初めてNZに来た人には、これだけでも満足できるのではないだろうか(森が似ているということは、フィヨルドランドと気候が似ているということで、この辺りは非常に雨が多い)。

Matheson forest
マセソン湖の森

  私は半時計周りで歩いたが、どうやら通常と逆のルートだったらしく、すれ違う人は数知れない一方、追いつき追い越すことはない(思い違いで失敗!)。やがて展望台にたどり着くと、時々晴れ間は覗くものの、あいにくまだ雲は取れず、サザン・アルプスの姿までは見られない。しかし、それを差し引いても、静寂のマセソン湖は十分に美しい景観をもたらしてくれた。

Lake Matheson
マセソン湖

 悪いこと続き

 歩き終えると、休む間もなく自転車に乗り、それから先の展望地に向かった。ここからは、天気が良ければマウント・クックとフォックス氷河が同時に見られるはずだが、あいにく氷河の下の方が見えるだけだ。そこでやむなく、周りの牛たちの注目を一心に背負いながら撮影し(本当に皆見ていたので、ちょっと怖かった)、帰途についた。帰りは微妙な上り坂が続くこともあって一気にペースダウンしてしまったが、その間に小雨が降り出し、村に到着してからはかなりまとまった雨が降り始めた。

Matheson lookout
マセソン湖近くの展望地より

 雨宿りも兼ねてしばらく休憩したら、フォックス氷河の末端部を目指す(ここで自転車を変更したが、今度のはかなり傷んでおり、ギアチェンジをするとしばらくかみ合わず進みにくい有様であった)。しかし雨は本格的に降り出し、傘を差しても濡れてしまうほどで、上り坂の中、仕方なく歩いて先に進んでいった。

  やがて展望台への分岐に差しかかり、そこに自転車を置いて歩き始めた。吊り橋を渡り、森の中を10分ほど歩くと氷河の展望地があったが、末端部がうっすら見える程度で、上の方は霧に覆われていた。それから5分も歩くと駐車場があり、そこから本当の展望台であるシャレー・ルックアウト(Chalet Lookout)への道があるのだが、いざ歩き始めようとすると、ルートが閉鎖されているではないか。なんでも落石があったらしく、ロープが張られている。是が非でも行きたいところだったが、規則を守るよう指導された日本の教育システムが災いしてか、素直に指示に従い、道を引き返した。

Far view of Fox Glacier
フォックス氷河を遠望する

 悪天の中の奇跡

 先ほどの分岐点に戻ると、ようやく雨も小降りになったので、氷河の末端部へ向かうことにした。駐車場から往復1時間ほどの道だが、ほどなく末端部の姿が見え始め、なかなかの迫力である。さらに進むと、その姿が近づき、ついには目の前に姿を見せるようになった。末端部の50m手前ぐらいのところが最終地点だが、そこまで行くと、さすがに氷河の大きさに圧倒される。

End ice of Fox Glacier
末端の氷が迫る

  写真などでは見たことがあったが、実際に間近でその姿を見ると、本当に大きいものだと実感し、自然の神秘を感じずにはいられない。そう思いながら引き返し始めたら、幸運にも太陽が現れ、その光が氷河を照らし始めた。わずか数分の奇跡的な出来事だったが、その姿はやはり素晴らしく、氷河の壮大な風景を収めることができ、満足であった。

The end of Fox Glacier
フォックス氷河末端部

 こうして帰途につくと、手のひらを返したように雨が降り始め、またしても自転車で傘を差しながら慎重に下る羽目となった。晴と思ったら雨と、昨年のフィヨルドランド同様、非常に変わりやすい天気である(だからこそ森と氷河が共存できるのだが)。

  こうして3時頃には村に戻り、自転車を返却して宿に帰った。部屋に戻ると、これまた不思議なことに、西側から青空が覗き始めていた。今日は天候の割によく周れたと思うが、心残りなのは、マセソン湖でサザン・アルプスの山並みが拝めなかったことである。果たして、その日はやってくるのだろうか…

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.