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旅巧館旅行記オセアニアNZ Walking Journey 2000-2001
ニュージーランドの国旗

旅行記:ニュージーランド (NZ Walking Journey)

11.氷河峰のパノラマ (2001/1/3:晴

 快晴のミルフォード・ロード

  今日から、ミルフォード・トラックと並ぶNZの代表的なトレッキング・コース、ルートバーン・トラックを2泊3日で歩く。全長34km、自然景観と山岳展望の素晴らしさを誇る、NZ随一の人気コースだ。山岳展望がメインである以上、天候に恵まれるか否かが重要なポイントだったが、予報が的中したのか、幸いにもこの日は朝から快晴で、絶好のトレッキング日和であった。

 朝9時にCentraで顔合わせを兼ねたモーニングティー・サービスがあり、そこでクィーンズタウンから出発したグループと合流する。今回はどれほどの日本人がいるのか、不安と期待が交錯していたが、総勢23名、うち日本人が14名(過半数!)であることが判明した。おまけに、ガイドには日本人のトモコさんもいるとのことで、予想以上に日本人が多いパーティーだ。

  テ・アナウから参加したのは、私のほか、中野夫妻、それに新婚旅行で来ていた清水夫妻という若い夫婦2組で、他の日本人はアルパインツアーサービスのツアー客であった。自己紹介をしつつ、しばし歓談したが、テ・アナウ参加組は、思いのほか若者がいて皆一安心であったようだ。そして30分程で出発となり、コロミコ・トレックのスタッフに見守られながら、長らく滞在したテ・アナウを後にした。

  コース入口のディバイド峠までは、風光明媚なミルフォード・ロードをバスで1時間ほど北上するが、道中も快晴で景色が良く、天気は全く心配なかった。バスは一般観光客と乗り合いで、私はガイドのトモコさん(子持ちでNZに定住している)とあれこれ話しながら、道中を進んでいった。

Mackay Creek
マッカイ・クリークの大平原

Knobs Flat
ノブズ・フラットからの眺め

Mirror Lakes
ミラー湖と反射するアール山脈

  大平原が広がるマッカイ・クリーク(Mackay Creek)に入り、ミラー湖に到着すると、バスは停車して立ち寄れるよう配慮してくれた。私も一昨日に続いてミラー湖の散策に出かけるが、ちょうどミルフォード・サウンドに向かうツアー群と時間帯が重なったため、ものすごい人だかり(NZに来て初めて「渋滞」に出くわしてしまった)…それでも、晴れた日のミラー湖の反射は大したもので、正面のアール山脈(Earl Mountains)が見事に湖面に映っていた。

  バスはなおも北上し、ノブズ・フラット(Knobs Flat)でトイレ休憩となったが、ここでも人が多くて閉口してしまう。やがてガン湖を通過して、ディバイド峠に到着したところで、ツアー一行は下車。隣りの日本人家族連れは、そのままミルフォード・サウンドに行くそうだが、こんな良い日であれば、途中の道もクルーズも、さぞ堪能できることだろう。幸運を祈りつつ、私も下車してトレッキングの準備を始めた。

 いきなりマイペース

  ディバイド峠では、準備を終えると簡単なガイダンスがあり、その後いよいよスタートとなった。コロミコの事前説明では(ガイドが4人付くので)6人1組で歩くように聞いていたが、実際には自由に自分のペースで歩いて良いとのこと。、これは幸いとばかりに、私はそそくさと歩き始め、あっという間に後続を引き離していった。

  森の中はちょうど快適な陽気で、ブナの木々の間からは、左手に雪や氷河を戴くダーラン山脈(Darran Mountains)が姿を覗かせている。緩やかに登るにつれて視界も良好になり、20分も歩くと、目の前にホリフォード渓谷の大展望が広がるようになった。ここで、フィヨルドランドで最も展望が良いと言われるキーサミット(Key Summit:919m)への分岐点に差しかかったので、荷物を置いて、ホリフォード渓谷を見下ろしながら、しばしの山登りをこなした。

Mt Crosscut
ダーラン山脈を望む

  結局、歩き始めて30分程でキーサミットに到着したが、ここは美しい高層湿原になっており、実に360°のパノラマが広がっている。とりわけ西側の、先ほどまで見ていたダーラン山脈の景色は素晴らしく、リトル山(Mt Lyttle:1896m)やクリスティーナ山(Mt Christina:2502m)をはじめ、数々の名峰が一望できてしまうのだ。こんなに手軽に大自然を満喫してしまって良いのかと思うほど、素晴らしい山岳展望であった。

Key Summit
キーサミットからの眺望 [→ワイド版]

  私は、ここでしばし景色を眺めて感動していたが、ただ1点、名峰・クリスティーナ山頂に雲がかかっているのが残念で、頂きが見えるまで粘ることにした。しかし、30分ほど経っても雲が取れず、ついに残っているのは私だけになってしまったので、やむなく円周のルートを進むことにした。

  歩き始めると、先にはU字谷に挟まれたマリアン湖も見られ、その景色の素晴らしさに感嘆してしまう。とその時、ふと気がつくと、クリスティーナ山の雲が取れているではないか! ここは逆走しないよう言われていたので、私は走ってルートを進み、円周の元の位置から再びキーサミットの高層湿原に入り、その景色を激写。そして、ガイドにも気づかれず、何事もなかったように元に戻って下山した。

View of Marian Creek
マリアン渓谷

Mt Christina
クリスティーナ山 (キーサミットより)

  キーサミットから15分ほど下るとハウデン湖(Lake Howden)に到達し、ここで昼食となった。ここから南に下れば、美しい谷沿いを歩くグリーンストーン・トラック(Greenstone Track)だが、ルートバーン・トラックは逆に北上し、樹林帯の中を緩やかに登っていく。

Lake Howden
ハウデン湖

  快晴の中、美しいブナやコケに囲まれ、氷河峰のパノラマを横目に見ながら進んでいくのは、何とも気持ちが良い。ミルフォードでの雨が嘘のような心地よい晴れで、半袖でちょうど快適な陽気であった。

Earland Falls
イヤーランド滝

Moss at Routeburn
コケだらけ (道中にて)

 庭園のような湖

  しばらく歩くと、やがて前方に大きな滝が見えてきた。これはイヤーランド滝(Earland Falls:80m)と呼ばれる名物滝で、滝壷周辺が絶好の休憩ポイントになっている。私はしぶきを浴びながら、滝の水で喉を潤し、先に休んでいた人たちとともにしばし休憩した。

  さすがに滝のすぐ近くなので、涼しくて気持ち良いのだが、木や岩が邪魔して、イマイチ展望が冴えない。しかし、ふと気づくと、滝近くの大きな岩の上に、1人の男性が佇んでいるではないか。ということは、その岩に登れるということなので、私も彼に続いてトライしてみることにした。

  岩を見ると、左側は植わった木を支えに進めばなんとか登れるとわかったが、支えの木が折れたり、足を踏み外したりすると、崖に落ちてしまいかねない。幸いにも木は丈夫そうだったが、私は慎重に、しかし確実に岩に登り、上から存分に山岳展望を楽しんだ。そして、後から来た他の日本人にも勧めて、ほとんどの人を岩の上に導いたのであった。

View from Earland Falls
イヤーランド滝の岩の上からの眺望

 それからは、左手にダーラン山脈とホリフォード渓谷のパノラマを眺めつつ緩やかに登り、オーチャード(Orchard)と呼ばれる果樹園のような風景を過ぎると、まもなくマッケンジー盆地(Mackenzie Basin)を目指して下り始める。この下りを終えれば、本日の宿、マッケンジー・ロッジ(Mackenzie Lodge)に到着だ。

View of Hollyford Valley
ホリフォード渓谷とダーラン山脈

  このロッジから5分も歩けば、有名なマッケンジー湖(Lake Mackenzie)があるので、私は荷物を置いて、さっそく湖に向かった。湖の畔にはバックパッカーが多数たむろしている(フリー・ウォーク用の山小屋があるから当然だ)が、これがまた、美しい緑色をした湖だ。岩も点在しており、NZの壮大な風景に日本庭園を合わせたようで素晴らしい。湖の奥に見えるエミリー・ピーク(Emily Peak:1820m)やオーシャン・ピーク(Ocean Peak:1848m)も良いコントラストを演出している。ちょうど雲がかかり始めていたが、幸運にもその美しさをしばし味わうことができ、大満足であった。

Lake Mackenzie
美しきマッケンジー湖

  ロッジに戻ると他のメンバーが到着していたので、景色の素晴らしさと、雲が出始めているので早く行った方が良い旨伝え、自分はシャワーや洗濯などの諸事をこなしていった。その間にも食事の準備が進んでいたが、ミルフォード・トラックのロッジでは専属の賄いが調理するのに対し、ルートバーンではガイドが自ら作っている。大変だが、その分アット・ホームな感じだ。

  心温まる食事を済ませた後は、このツアー最初で最後のコース紹介がスライド付で行われた(ミルフォードでは毎日開かれる)。夕方になって霧が立ち込めてしまい、美しい夕陽とマッケンジー湖の風景は見られなかったが、今日のような天候が明日も続くようにと祈るばかりである。

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