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旅巧館旅行記オセアニアNZ Walking Journey 2000-2001
ニュージーランドの国旗

旅行記:ニュージーランド (NZ Walking Journey)

3.ブッシュ・ウォーク三昧 (2000/12/26:雨時々曇

 道なき道を切り開いて

  この日はコロミコ・トレックの日帰りツアーに参加することにしていた。昨日の話では、天気が良ければ南のハウロコ湖(Lake Hauroko)、悪ければケプラー・トラック(Kepler Track:グレート・ウォークの1つ)周辺でブッシュ・ウォーク(Bush Walk)とのことだったが、天候が読めないので、ルートは当日の朝決めるという。

  そこで起床すると、一瞬晴れていたが、まもなく雨が降り、止んだかと思うとまた降るという、なにか弄ばれているような天候であった。朝8時にピックアップが来て、同じ宿から1名、別の高級ホテルから1名の計3名で向かうが、天候が不安定なため、ケプラー・トラック周辺の原生林の中を歩く「赤ブナ尾根縦走コース」に決定。ツアーには、上記3名のほかガイドが4名も同行し、道なき道を切り開いて歩くことになった。

 まずはテ・アナウから車で5分ほど南下し、ケプラー・トラックの入口から南に、一般道をしばらく歩く。そして途中から秘密の道を山に入り、コロミコの社長が開拓したという「道」を、木々やシダを掻き分けながら進んでいった。日本では危険でとても真似できないが、ニュージーランドには蛇や熊や狼などの危険な動物がいないので、心配ないのだ(国立公園内を勝手に歩いて良いのかは知らないが…)。

  雨は最初ひどく降り、雨具をつけていても辛いほどだったが、尾根を登るにつれて天候が回復し、晴れ間も覗くようになった。ニュージーランドはちょうど新緑の季節で、太陽が当たると木々やシダの葉が青々しく映り、美しい森の景色を彩る。しかし油断すると雨が降り、道なき道を行くため雨露もひどく、いつの間にか新調したリュックと靴もびしょ濡れになってしまった。辺りは腐葉土が豊富なため、足の踏み心地がふんわりしており、天然の絨毯の上を歩いているような感覚に襲われるが、所により陥没したり倒木で歩行困難なところもあり、油断はできない。

Bush walk with moss
コケむす原生林

Moss carpet
コケの絨毯が広がる

  そうこうするうちに急斜面を登り終え、テ・アナウ湖(Lake Te AnauNZ第2の湖)を望むスポットに到着した。霧がかかって最初はあまり見えなかったが、休んでいるうちに薄くなり、対面にテ・アナウの街並みがはっきり確認できるようになる。また、周りにはコケむす美しい原生林が広がり、森の気をもらって、今までの仕事に疲れた体が癒されるようであった。

 初めての道

 それから少々歩くと、通称「No.2」と呼ばれる図太い赤ブナの大木が現れた。写真にはとても収められない大きさだが、ビデオカメラを持ってきていたので、こういう時には重宝する。そして、さらに歩くと尾根に出て、後は下りだけになった。

  が、ちょうど辛い登りで雨が止み、予想以上に順調に進んだうえ、この日の3人にはまだ余力がある。そこでせっかくの機会だからと、トレッキング経験豊富な社長でさえ行ったことのないところを歩くことになった。

  磁石と勘を頼りに、獣道などを適宜利用して歩いていくが、これこそまさに道なき道だ。時にシダのジャングルに迷い込み、時にコケの幻想的な世界に酔いしれながら、かなりの距離を歩く。しかし、下が天然の絨毯であるためか、足にはあまり負担がかからず、それほど苦にはならない。私は先頭を行く社長の後を歩いていたが、社長も初めて歩くコースを気に入ったのか、「ここは良いなぁ~」などと言っている。

  しかし、道なき道ゆえ途中で巨大な倒木があり、やむなく崖を急降下する羽目になった。かなり危険なので慎重に足を進める…つもりが、木の枝に足を滑らせ、見事に滑落してしまった!木もつかめず、帽子も飛ばされ、どこまで落ちるのかぁ…と思ったが、幸いにも2~3mの落下で怪我もなく済み、結果的には後に続く人の注意を促すことになったので、良かったことにしよう(こういう時は時間がゆっくり過ぎるもので、スローモーションのように覚えている)。

Bush walk with beech
ブナが林立する森

Bush walk with fern
シダが生い茂る地帯

  それからも迷走は続く。シダのジャングルなどを掻き分けて進むが、こんなところに1人で来たら、絶対に迷ってしまうだろう。しかも社長すらルートを誤り、同じ道を一周するほどだったが、どうにか通称「赤ブナ大王」という幹周り10mの巨木に到達。ここで遅い昼食となるが、食事は今回特別に豪華だそうで、おにぎりにソーセージ、韓国風カップラーメンなど盛りだくさん。誰もいない、まさに手付かずの原始の森の中で、何という贅沢か!

Beech No.2
No.2と呼ばれる大木

Beech No.1
赤ブナ大王

 思わぬ落とし穴…

  食事を終えて帰途につくと、ここからはケプラー・トラックの旧道なので楽勝…かと思いきや、倒木が多く、道は雨で塞がれており、意外に苦戦しながらの歩行となった。本来のケプラー・トラックに戻る頃には雨が本格的に降り出したが、今までに比べれば楽すぎるほどの道なので、何の問題もなかった。

 こうしてテ・アナウに戻ると晴れてきて、また馬鹿にされているような気分だったが、明日からは4泊5日のミルフォード・トラックに出かけるので、その説明を受ける。そして代金を払ったら、宿に戻って洗濯などをして過ごした。

  辺りはまだ明るいものの、気がつけば夜も更けていたので、同宿で今日同行した方(年配と言ったら語弊があるが…)と街に繰り出し、食事をする。と言っても、観光地にしては寂しすぎるほど静寂な街で、日本とは大違いである。

  しかし、目的のレストランに着くと意外に混んでいて、4~6人用は空いているが2人ではちょっと待ってくれ、と言われてしまった。と、そこに日本人女性2人組が現れたので、時間がもったいないので4人で食事をすることにした。

  聞けば、彼女たちはかつてワーキング・ホリデーでニュージーランドを訪れており、今回はクライストチャーチでクリスマスと新年を迎えるためにこちらに来て、その間にフィヨルドランドのホリフォード・トラック(Hollyford Trackを歩くのだという。私も行ってみたいところだけに、羨ましい限りだ。

  食事は、せっかくなのでフィヨルドランド産の伊勢エビを奮発して頼んだが、これが一匹まるまる付いて$48(約2,500円)。日本では絶対に食べられない(少なくとも私は頼んだことがない…)代物を食し、大満足のうちに就寝したのであった。まさか、そこに思わぬ落とし穴があろうとは知らずに…

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