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修士論文 『行政計画策定過程における意見反映プロセスの事例分析』

はじめに

  地方自治体が定める計画や基本方針等に、「開かれた市政」とか「市民とのパートナーシップ構築」といった言葉が使われるようになって久しい。だが、実際の施策策定等にあたっては、一部の有識者を懇談会の委員としたり、形式的な説明会を開く程度に終始していることが多い。1997年は地方自治法の施行50周年にあたるのだが、今だ上記のような理念が十分に実現されているとは言い難い状況なのである。

  しかし、地方分権への動きが活発化する中で、後に述べるように、いくつかの行政計画では、法律で市民からの意見を施策に反映するよう定めるようになってきている。そのため、自治体としてもその手法の確立が急務になっており、一部の先進的な自治体では、この点に関して、最近になって様々な試みが行なわれている。

  そこで本研究では、行政が不特定多数の市民から意見を聴き、それを施策に反映させるプロセス(以下「意見反映プロセス」)について、いくつかの計画策定過程の事例をもとに検討し、現状の問題点・課題等を明らかにすることを目的とする。そして最終的には、その実現に向けた実践的な手法・モデル・戦略に関して提言することを目指す。

  この研究により、自治体の政策担当者や政策提言を行なう市民グループなどが、現状の試みと課題を認識するとともに、それをもとに市民の意向を施策に活かす方法を構築・実践していく手がかりを得ることであろう。そしてそれが、ひいてはパートナーシップの構築に向けて、良好な市民-行政関係を築くのに役立てば幸いである。

意見反映プロセスの構図

  論文の構成は、以下の通りである。

  第1章では、本研究の主題である「意見反映プロセス」が、特に行政計画の領域で必要になってきている背景を、地方分権の動向などと絡めて論じる。

  これを受けて第2章では、第3章以下で行なう分析の対象と方法を提示する。ここでは、まず従来の研究枠組みの中に意見反映プロセスを位置付けた後で、具体的な分析方法として、政策決定のモデル、分析における焦点、主要アクター、取り上げる4つの事例などを説明する。

  第3章から第6章までは、ここで取り上げる4つの事例について、1章ごとに1事例を検討することにする。第3章では東京都日野市の事例、第4章では東京都新宿区の事例、第5章では神奈川県大和市の事例、第6章は東京都の事例となっている。それぞれ第2章で示した焦点について分析し、問題点等を明らかにしていく。

  そして第7章では、上記の事例分析を通して、意見反映プロセスを行なう利点・現状の課題等を洗い出し、それらを踏まえて、今後に向けた提言を試みる。

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