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学士論文 『ポスト企業社会とボランティア』

おわりに

  あの阪神大震災から丸1年がたった。この未曾有の災害は、一瞬にして6千名以上の命を奪い、何十万という人々の運命を大きく変えたが、その傷跡はなお深く、1年たった今でも、仮設住宅で暮らす人が約9万人おり、被害の大きかったところではまだ空き地が広がっているという。これだけでも、いかに凄まじい災害であったか、想像に難くないであろう。

  ところで、私も、間接的にではあるが、震災の影響を大きく受けた1人である。震災当日は、2日後に控えたオープン・ゼミの発表に向けてレジュメ作りに励むつもりだったのだが、あまりの被害の大きさに目を奪われた。たまたま3商大ゼミで三宮周辺を観光していたこともあり、テレビが映し出す無残な光景はかなりショックであった。また、しばらくすると震災ボランティアの活躍が報じられるようになったが、ボランティアを卒論のテーマにしようと決めていたこともあって、大いに関心は高まった。しかし、そうした思いとは裏腹に、この頃はテストやレポートが山のようにあり、とても現地にいけるような状態ではなかったし、またボランティア団体のつてもなかったので、傍観するより他になかった。そんなとき、大学構内で見つけたのが「ファミリー国立」という団体だったのだ。

  こうして、私も震災ボランティアの一員として活動に加わり、国立の事務局で仕事を手伝ったり、現地に行って支援をしたりした。そして、あれよあれよという間に活動にのめり込み、4月から10月まで報告書作りに携わったのであった。その成果が、ファミリー国立事務局編『それぞれの探し物――震災ボランティアは何を見たか――』である。

  本書も、こうした影響を受けて書かれたものである。結局、報告書作りが大幅に遅れたうえ、12月には大学院の試験もあったから、執筆時は時間に追われてしまい、表面的な分析にとどまった感が拭えない。また、自分の主張が読む人にどれだけ伝わるのか、はなはだ疑問である。その意味では大いに不満な点もあるが、それでもとりあえず書き上げたことには満足している。個人的には、これは「ボランティア3部作」の2つ目と位置付けている(1つ目はもちろん『それぞれの探し物』)が、完結編については、2年後のお楽しみということにしておこう。

  なお、本書の執筆に当たっては、加藤哲郎教授を始め、加藤ゼミの面々の直接・間接の支援が大きな助けになったことは言うまでもない。とりわけ、2度に渡るオープンゼミの際の血も涙もない(?)つっこみには、多くのことを学ばせていただいた。この場を借りて、感謝したい。

  ちなみに、私はこの春より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(湘南藤沢キャンパス:SFC)に進学し、「非営利組織と地域ネットワークのガヴァナンス」について研究する予定である。多少パソコンを扱える程度の情報処理能力で、果たしてついていけるのか、一抹の不安は禁じ得ないが、それでも加藤ゼミの名を汚さぬよう、新天地で頑張ってみようと思っている。勝負はまだ始まったばかりなのである。

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