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五輪館
毒語館乱世を斬る!

[1999.2]

乱世を斬る!

時代を読む

1.予言者?

  どういうわけか、最近、私が注目したものというのは、その後しばらくして世間の注目を集めている。

  例えば、卒論で研究対象とした「ボランティア」「NPO」は、1994年秋の段階で取り上げることにしたのだが、翌年になって阪神・淡路大震災が起き、瞬く間にボランティア・ブームとなった。この当時、ボランティアはまだしも、NPOを本の題名にしたものは皆無に等しかった(その分材料集めは大変だった)が、今となっては当たり前のように題名に使われ、用語として一般的にもほぼ通じるレベルになってきている。

  また、修論では、行政施策の策定段階で一般から意見を集める現象を「意見反映プロセス」と題して分析した(地方自治体が対象だった)が、それが1998年になって突如として「パブリック・コメント制」として、中央省庁のいくつかの審議会などで活用されており(私が軽く調べただけでも、ホームページ上で実施を確認できたものが23件あった)、1998年度末までには「規制の設定又は改廃に係る意見照会手続」に関して閣議決定を得ることになっている(これにより、規制の制定・改廃に当たっては、広く国民から意見・情報を募集することになる)。

  このように、まるで予言者のように、ことごとく(?)「的中」している。べつにノストラダムスを気取る気はさらさらないし、そう簡単にアルマゲドンで地球が滅亡するとも考えていない。ではなぜこんなことになるかと言えば…あえて理由をあげれば、おそらく些細なことにもアンテナを張っているからであろう。無論全てを把握することなどできないが、自分の関心・関連領域内で、新しい動きを見つけようと心がけることだ。そうすれば、他人が目にも止めない「胎動」でも、時代のセンサーが反応するというものである。

2.NEXT VISION

  すると、次に流れとして、今後のビジョンはどうなるのか、という話になるだろう(でないと、「予言」でも何でもない「トンデモエッセイ」になってしまうから)。あまり当てにされても困るが、以下に、上記の点について思い付いたことを書き連ねることにする。

  まずボランティアやNPOについては、より活発化するのはまず間違いない。NPO法も施行され、認証も出始めているが、今後はさらにSOHOワーカーとも結びつき、NPOによる事業化なども起きるだろう(介護保険問題への対応を図る団体や、テレビの多チャンネル化を受けて地域情報を発信する市民メディア等)。

  すると、公共性を有するいくつかの分野で、民間企業との競争が激化する可能性がある。民間企業は儲けるために相当「ピンはね」している(!)ので、良いサービス・アウトプットさえ出せれば、NPOにも十分勝機はある。また行政とも分野が「かぶる」恐れがあるが、目的が一緒であれば、協働・共生は可能であるから、これからは反対・対立というよりも「パートナーシップ」の方向に動いていくであろう。

  この先、福祉や環境問題をはじめ、我々の身近なところでより深刻な問題・課題が噴出し、「強者」のはずの行政や企業だけでは対応できない事態が訪れるだろうから、今のうちに組織の強化とネットワークの拡大を着実に行なえれば、今後このセクターは非常に重要な役割を担うことになるのはまず間違いない。

  パブリック・コメント制については、情報公開法も可決され、行政への不満も高まっているから、今後は拡大せざるを得ない。これまでのところは、ある程度行政主導にならざるを得ないが、その先には、おそらく市民主導型の政策協働がありうるであろう。既にその兆候は、一部地域の計画策定や某研究所での市民研究員制度などに見られるが、おそらく将来的には「市民政策論」という学問が立ち上がったり、「市民政策研究所」などと言った非営利のシンクタンクができたり、それらやアドボカシー系関連NPOが連携して「市民政策ネットワーク」を構築したりするであろう(これがある問題への1つの答えだったりするが…)。

  最後にパソコンについて言えば、今後利用者が増えるのは間違いないとして、おそらく今ある「デスクトップPC」「ノートPC」「ミニノート」「PDA」の大枠は変わらざるを得ない。

  まず「ミニノート」や「PDA」が有する機能は、基本的に「携帯電話」の方に収斂していくものと思われる。既に「iモード」「文字電話」などに見られるように、携帯機器としての便利さは備わってきているが、これが次世代規格W-CDMAにでもなれば動画の送受信が可能になるから、今のVaio C1の機能まで携帯電話で済むことになる。

  また「ノートPC」は、これから「Geyservilleテクノロジ」(AC電源接続時とバッテリ駆動時でCPUの動作クロックと駆動電圧を切り替える技術)により急激に性能アップが進むので、デスクトップPCとの差はなくなると考えて良い。私の予想では、薄型化と性能アップにより、主にビジネス向きに、ドッキングステーションを職場ないし家庭に置いてモバイルワークする人が増えると考えられる。

  では、デスクトップPCはなくなるのかと言えば、そんなことはない。こちらはさらなる性能アップを図ることで、高画質での動画の録画が容易になり、しかも21世紀初頭にはデジタルテレビ放送もスタートし、やがてVHSがDVDに置き変わると考えられるから、こちらは「テレビ+録画+ビデオ編集」用途としてリビングで活用されることになるだろう(その意味では、現在のパソコンらしいものの主流は1つになる)。

3.読めないもの

  ところで、こんな私でも(?)、全くといっていいほど先が読めないものがある。それは「ヒトのココロ」だ。全体としてどのように動くかはある程度想像がつくので、長野オリンピックのチケットを首尾よく入手できたりするのだが、さすがに個々の人間ともなると、一筋縄ではいかない。

  もっとも、だからこそ面白いのであろうし、突如としてボランティアが湧き出たり(震災ボランティア)、企業にできないことをサポーターがやってのけたり(横浜FC)、わけのわからない白塗り照明女が一時的にブレイクしたり(鈴木そ○子)、毎年同じような恋愛ドラマが飽きられずに見られたりするのだろう。これには明確な解答はないので、とりあえずは、わからないならわからないなりに対処していくしかないと、半ば諦め気味である。

  だが、個人的にもっと困るのは、最近目先のことばかりに注意を払わざるを得ず、学生時代のような(?)深い勉強ができなくなり、表面的にしか事象を追えなくなったことだ。これでは、ふと気づくと知識が置いていかれるので、読めるものも読めなくなってしまう。仕事ではどうしても短期的なアウトプットを求められるので、それに従っていると浦島太郎になりかねないのである。

  だから、これからは一層長期ビジョンを持って、いつ路頭に迷っても大丈夫なように備えておこうと考えている次第である。

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